2012年05月05日

2012.5.5 COMIN' KOBE 12

 もうすっかり関西のゴールデンウィークの風物詩と言っても良い「COMIN' KOBE」。震災の記憶を風化させないことを目的とした入場無料のチャリティーフェスなんですが年々入場者数が増えている印象もあって、今年は本当に人いっぱいでした。ポートライナーの市民広場駅が最寄り駅なんですが、10時くらいに到着したらリストバンドを求める列が物凄かったです。隣りの医療センター駅を更に過ぎた所まで列が伸びていて、そこが折り返し地点。結局1時間半以上並んでようやくリストバンドを入手することが出来ました。

 今回見たアーティストはほとんどが事前にほぼ曲も聴いていない、メンバーの属性も知らないというかなり真っさらな状態です。その中でステージを見て率直に感じたことをメインに書いていきたいと思います。

 なおこのフェスに参戦するのは4年連続になります。過去の記事もこの機会にリンクしておきます。

GOINGKOBE '09
COMIN' KOBE 10
COMIN' KOBE 11(開演翌日のTwilogに飛びます)

・WHITE ASH
 ここからの4組は神戸夙川学院大学体育館でのステージでしたが、やはりステージの特性上音があんまり良くないですね。と言うより音響に問題があったのでしょうか。いずれにしてもどのアーティストも演奏の音が大き過ぎでボーカルの声がかなり聞き取り難かったです。
 さてこのバンドは全編英語詞のパンクロックで、調べてみると「RO69JACK 2010」で優勝した実績もある期待の大きなアーティストのようです。ですがこのジャンルはやっぱり演奏力が命であることがあらためて分かりました。正直言ってこのバンドはまだまだこれからだと思いました。「カミング!モーゼ!」と叫んで道を空けるシーンも途中ありましたが自分の見る位置が悪かったせいか、個人的にはどういう状況なのかあまり判断できず。オーディエンスは思い思いに踊っている人も多かったですが自分としてはそこまで素晴らしいステージとまでは感じませんでした。

・mudy on the 昨晩
 トリプルギターにベース・ドラムの5人でボーカルなしという凄い編成。当然ながら奏でられる音楽とステージングはものすごく新鮮でした。今年の6月にリリースされるアルバムでは9mm Parabellum Bulletのギタリスト滝善充がプロデューサーとして参加する模様。その影響があるのかどうかは分かりませんが、ギター3人のパフォーマンスは9mmを思い出させる部分もあったりなかったり。ラストの音を5人で決める部分はまさに圧巻の一言。これだけ情熱的なステージをこなしながらMCが朴訥とした雰囲気だったのもまた良かったですね。非常に素晴らしい内容で、次に見る機会があれば事前に何作か作品を聴いてからあらためて見たいとも感じました。

・UNLIMITS
 COMIN' KOBEには何回か出てたんですが時間帯がこれまで合わなかったこともあって、個人的には初めて見るアーティスト。前2組がかなり激しいロックを奏でていたこともあって、すごくポップでメロウなバンドという印象を持ちました。メインボーカルの方は声質といい歌い方といい、PRINCESS PRINCESSの奥居香を彷彿とさせる部分も感じたり。もっともオーディエンスのノリは十二分にロックで、モッシュも普通にありましたが。会場の所以か、歌詞どころかボーカルの声自体やや聞き取りにくかったのが残念でしたがステージそのものは大盛り上がりでした。ジャンプあり手拍子あり大合唱もありで、まさに鉄板のステージではなかったでしょうか。

・THE 冠
 前回のCOMIN' KOBEでも非常に個性的なステージを見せていましたがその時は待機中でチラッと聴いた程度なのでちゃんと見るのは今回が初めて。ボーカルの冠徹弥は鎧っぽい姿で登場、恐ろしく暑そうです。さすがに途中で兜などは脱ぎましたが。
 1曲目からメンバー紹介。「4人がハゲ」という自虐ネタをかました後に「名前はネットで調べてね」というオチ。一応ヘヴィメタバンドで、「ヘヴィメタに市民権を!」と訴えておりましたが、音楽的にはヘヴィメタを主流として色々な方向に手を出しているような、そんな気がしました。
 中盤には「中3インマイドリームス」たる曲も披露。ですが爆笑したのはその後の寸劇。ボーカルが嫁に愚痴る体で「今年は41、本厄ですよ」などと自虐ネタをかましたり。その後コール&レスポンスをしながら「俺そういうのあんまり好きじゃないんですけどね」と言いつつノリノリになって、気がつけばラップっぽいリズムを奏でだして「Lifetime Respect」(三木道三)を歌い出したりして。
 ラストは「傷だらけのヘビーメタル」。この曲に限らず基本的にシャウト系で歌う曲なので歌詞はそんなに聴き取れないんですがこの曲の”教えてあげる ボン・ジョヴィはヘビメタじゃない”というくだりだけは完璧に聞き取ることが出来ました。しまいには演奏に合わせてヘドバンしてる方々に「そんな皆さんお辞儀しないで」と言ったりしてまさに絶好調。
 なぜか日本のヘヴィメタバンドは歌詞で笑いに走る傾向が強く見られて、このバンドもまさにその典型なんですが演奏レベルが非常に高いというのもまたれっきとした共通項でもあり。非常に楽しい上に迫力も満点で、文句なしに素晴らしいステージでした。

・FLiP
 ここからワールド記念ホールに移動。本当はアリーナに入って見たかったのですが既に入場を待つ列がかなり長くなっていたので仕方なくスタンド席から観覧。この後メインで見たのは大きいステージですが彼女たちに関してはその向こう側にある小さいステージ。
 これまで色々なガールズバンドを見たり聴いたり知ったりしていますが、おそらく自分が知ってる日本のガールズバンドの中で一番直球のロックを奏でている人たちじゃないのかな、という感想を強く持ちました。ロック色という意味ではチャットモンチー辺りも強いですが編成やボーカルの声質など変則的要素がかなりありますし、ZONEやSCANDALなんかはむしろアイドルですし、古くはPRINCESS PRINCESSやPINK SAPPHIREもポップ寄り、SHOW-YAはロック色が強かったですがメイクがあまり自然体に見えなかったりして…(汗)
 そんなわけで個人的には相当好感を持てたアーティストでした。全体的に直球な曲が多かった中でやや異色なのがラストに演奏された「カートニアゴ」でしょうか。サビのラストの終わり方がかなり個性的に感じました。盛り上がりもかなりのものでしたがまさかダイブまで起こるとは思いませんでした。おそらく数年後までにはブレイクしているんじゃないでしょうか。どのアーティストもそうなんですが、とりわけこの人たちからは音楽・ステージに対する真摯さがより伝わってきたような、そんな気もしまして…。

・dustbox
 移動のために一旦会場の外に出たんですがそこにいても演奏からただならぬ迫力とオーラを感じました。ロッキンなどで名前を見た記憶は何度かありますが彼らの音を聴くのは初めて。したがって曲は全然知らなかったのですがこのレベルまでいくとそんなことは全く関係ないですね。有無を言わさずにテンションを上げさせる演奏にMC、そして非常にノリやすいメロディー。アリーナはおろかスタンドまで立ち見で一杯の状況。各所でストームが発生、ダイブした猛者も非常に多く、おそらく100人は超えていたんじゃないでしょうか。とにかくすごい盛り上がりを見せた完璧なライブでした。4年間にわたって色々なアーティストのライブをこのイベントで見てきましたが、その中では間違いなくトップクラスに入る出来じゃないでしょうか。

・円 広志
 この道30年以上の大ベテランだけあって、バックミュージシャンの演奏レベルの高さがシャレになっていないレベルでした。全部で5曲やりましたが、3曲目のギターをフューチャリングしている楽曲はまさに名演奏という一言がしっくり来ました。それにしてもこの人、あらためて聴くと相当歌唱力高いですね。この時代にデビューしたシンガーソングライターは総じて物凄く歌がうまいんですが、彼もまさにその一人のようです。
 探偵ナイトスクープで関西人なら誰もが知っている「ハートスランプ二人ぼっち」で始まって偉大なるヒット曲「夢想花」で締めるのはもはやお約束。「ハートスランプ二人ぼっち」で会場大合唱が始まるもBメロに入ったあたりで完全に消えてしまうのもやはりお約束。「ハートスランプ二人ぼっち」と「夢想花」の間に演奏される曲の知名度が非常に低いのもお約束(ちなみにその年代ならではの歌詞で、普通にいい曲でした。ギターを弾きつつの歌唱)。MCで笑いを取るのも当然ながらお約束(今年2回目のステージだそうです)。「とんでとんで」で観客がジャンプするのも「まわってまわって」でサークルモッシュが発生するのもおそらくやっぱりお約束。ただダイブまで発生するのはさすがに想定外でした。ほんの数人ではありましたけど。こんな機会でもない限りこの人のステージを見ることは一生ないと思うので、すごくいい物を見た気分になりました。

・Fear, and Loathing in Las Vegas
 個人的には全く知らなかったのですが既に知名度は高いようで、調べてみると今年1月発売の「Just Awake」が『HUNTER×HUNTER』のEDテーマに使われてオリコン初登場8位を記録している模様。したがってアリーナは勿論スタンドも多くの人で一杯でした。この人たち、実は神戸出身でもあるそうです。
 これは過去全く耳にしたことのないスタイルの音楽ですね。ジャンルとしては「スクリーモ」らしくて、これも恥ずかしながら初耳。アメリカが本場だそうで、向こうではそのジャンルでヒットしているバンドもいるそうなんですが日本では聞いたことがないです(個人的にですが)。まあ一言で言うと衝撃ですね。それに尽きます。
 まずボーカルが2人いるんですが、マキシマムザホルモンを思い出させるデスボイスの人はともかくもう一人の高音担当っぽい金髪の人はまず男性なのか女性なのか分かりません。写真を見る限り男性で間違いなさそうですが遠目だと本当に分からなかったです。彼のボーカルは基本的に生声に電子音が被さっているような感じ。バンド編成なんですが編曲にはエレクトロな電子音も多々混じっていて、それでいて激しくエモーショナルなロックを奏でていて、でも曲によってはメロディアスな物もあって。基本的に歌詞は聴き取れないんですが全く聴き取れないという訳でもなく。実に捉えどころがないながらも全て突き抜けているような印象もあって、彼らほどうまく説明するのが難しいバンドもなかなかいないと思います。
 メンバーは全部で6人。ボーカル2人を中心に、ドラムを除いてステージ中を動きまくり。特にボーカルは最後の曲で2人して観客の方にダイブしておりました。アリーナの客の盛り上がり方は恐ろしいほどのレベルで、モッシュ・ダイブは当たり前のように起こっています。凄かったですね。多分これからのロックフェスでは常連になりますね。新鮮なロックに触れたい男子女子は必ずチェックすべき逸材でしょう。


・まとめ
 4年連続で行ってますが、ステージの満足度は今回が一番高かったように感じました。事前にあえて下調べをしなかったのがより新鮮さを思わせた部分もあったりして、個人的には大変楽しく見ることが出来ました。来年も開催されればおそらく行くことになるでしょう。年に1回はやっぱりこの雰囲気を味わう必要があると思うので。ただキャパシティ的に大丈夫なのかという不安もあるのですが。本当に年々入場者数が増えてますからねぇ。

 観客のマナーの問題は例年言われてることですが今回はあまり気になりませんでした。たまたま自分がそういう場面に遭遇しなかっただけなのかもしれませんが。運営・ボランティアの方も今年はこれまでと比べてかなり充実していた印象がありました。冒頭の待ち時間は相当長かったですが混乱していたと思わせる部分は特になく、手際はかなり良かった方だと思います。入場無料のチャリティーフェスでこれだけの運営が出来るのは素直に凄いことではないでしょうか。あらためて主催者の松原裕氏やボランティアを始めとしたスタッフに最大限の敬意を表したい所です。本当にありがとうございました。次回もおおいに期待してます。

posted by Kersee at 10:30| Comment(0) | 音楽フェスティバル | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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