2010年08月07日

2010.8.7 SUMMER SONIC 2010 IN OSAKA

 今年もSUMMER SONICが2日間、幕張と大阪2会場で盛大に開催されたわけですが、その1日目の大阪会場に行って来ました。数多くのアーティストが素晴らしいライブパフォーマンスを両会場で見せていますが、そのうち私が見たのは以下のステージです。

・Aira Mitsyuki(DANCE STAGE, Opening Act)
・サカナクション(SONIC STAGE)
・ONE OK ROCK(PARK STAGE, 5分程度)
・K'NAN(OCEAN STAGE, ラスト1分程度)
・MY PASSION(SKY STAGE, ラスト5分程度)
・ORIANTHI(OCEAN STAGE)
・THE DRUMS(SONIC STAGE)
・SUM 41(OCEAN STAGE)
・HOLE(SKY STAGE)
・TAYLOR SWIFT(OCEAN STAGE)
・STEVIE WONDER(OCEAN STAGE)


 これらのアーティストのステージをレビューしていきます。
・Aira Mitsuki(DANCE STAGE)
 大阪会場におけるDANCE STAGEのOpening Actはある意味邦楽の注目株のオンパレード。3年前のPerfume、2年前のthe telephones、昨年のschool food punishment。今年のAira Mitsukiもテクノファンの間では既に名の知れた存在、ナタリーではPerfume、バニラビーンズとともに猛プッシュされているアーティストとしてもお馴染みと言った所でしょうか(笑)。
 10時開演ということだったのですが「交通事情より開演が遅れます」というアナウンス(本人Twitterによると「ダンサー&機材車が高速でバスと衝突」ということ。怪我がなくて本当に何より)。狭いDANCE STAGEの中は時間が経つにつれて人が多くなり、30分遅れて開演した頃には結構な人数になりました。
 プロデューサーかつDJのTerukadoと女性ダンサー2人が最初に登場して、インストで盛り上げた後に満を持してAira Mitsukiが登場。キュートで可愛いルックスとダンスが魅力的でした。代表曲「ロボットハニー」を含めた数曲のセットリスト、時間にすると25分ほどの僅かな時間でしたが、オーディエンスには十分にインパクトを与えたステージだったのではないでしょうか。
 ただ不運だったのは、開演時間が遅れたこともさることながら音響も異常に大きかったことですね。おかげで後ろの方ではAira Mitsukiの歌声がほとんど聴こえませんでした。また後のステージの開始が11時ということもあって、途中で退場するオーディエンスが続々。そういう意味では彼女にとって非常に気の毒なステージだったと言わざるを得ません。

・サカナクション(SONIC STAGE)
 過去大阪では2007年、2008年の2度にわたってOpening Actで出演。この2年の間にアルバム『シンシロ』『kikUUiki』をリリース、評判・知名度を大いに高めて2年ぶりに満を持してこのステージに戻ってきたことになります。
 前日の夜8時くらいまでひたちなかで一つステージをこなしているわけで、そこから半日も経たないうちに移動してまた次の日に幕張というハードスケジュール。ですが疲れを全く感じさせることなく、演者・観客とも非常にテンションの高いステージであったように思いました。
 「明日から」「セントレイ」「Klee」「アルクアラウンド」とアップテンポの曲でオーディエンスを踊らせたかと思いきや、「ネイティブダンサー」での幻想的なステージもあったり(黄緑に光るレーザー光線がすごく綺麗!)。新曲「アイデンティティ」からラストの「ナイトフィッシングイズグッド」でラストを締める流れ。
 心なしか全体的にキーを少し上げて演奏しているようにも聴こえました。CDとはちょっと音程が違うかな、とも思いつつ。でもステージの空間を盛り上げるためにはその方が良かったかもしれません。
 特徴的なキーボードの音の使い方に、独特のメロディーセンス。日本の音楽シーンではむろんのこと、世界を見渡してもあまり例のないタイプのバンドであることをあらためて再確認。ロックというジャンルの中だと日本も他国と比べて遜色ないレベルのパフォーマンスを見せる人たちは結構いますが、彼らも間違いなくその中の一組に入るのではないでしょうか。

 以下3組はほんの少し見ただけの印象なので簡単に。
・ONE OK ROCK(PARK STAGE)
 彼らについては3ヶ月前にステージを見ているので割愛。その時と同様に暴れまくってました。
・K'NAAN(OCEAN STAGE)
 ソマリア出身のラッパーで、今年のFIFAワールドカップのテーマソングを歌ったアーティスト。2009年世界デビュー。着いた時にはちょうどステージが終わったところでした。
・MY PASSION(SKY STAGE)
 UKパンクロックバンド。こちらもラスト5分くらいしか見れなかったですが、率直な感想を申し上げると、ONE OK ROCKを見た後だとその差が浮き彫りになっているということでしょうか。演奏、というよりむしろ肉体から感じられる筋肉という名のパワーが全然違いました。そうなると表出される音の重さが全く違ってくるのは当然のことだと言えるでしょう。

・ORIANTHI(OCEAN STAGE)
 オーストラリア出身の女性アーティスト。10年前から名だたるミュージシャンのサポートギタリストとして活躍、昨年にはMICHAEL JACKSONのコンサート『THIS IS IT』のリードギタリストに抜擢されるほどのミュージシャン。ソロアーティストとしても昨年発表された「According to You」がiTunesシングル・オブ・ザ・ウィークになるなど、近年日本での知名度もメキメキと挙げている彼女。SUMMER SONICには今回が初出演になります。
 結論から書きましょう。完全に度肝を抜かされました。ロッキン等で色々とギターパフォーマンスは見て来ましたが、正直男でもこんな凄いパフォーマンスにはなかなかお目にかかれません。左手の非常に細やかな指さばき、右の指を動かすスピードの早さ、そして全身を使ったダイナミックなパフォーマンス。マイクスタンドの前でギターを弾きつつ迫力のある声で歌い、間奏では端から端まで駆け回り、ステージ上で仰向きになって弾くパフォーマンスまで披露。日本にもギターを弾きながら歌う女性アーティストは何人かいますが、これだけのパフォーマンスが出来る日本人は過去・現在見渡しても間違いなく一人としていないですね。「凄い」という言葉以上の物を見せつけられた、そんな状態です。
 ギターテクがあまりに凄かったので印象に隠れがちですが、それ以外の要素も十分に凄かったです。まず歌唱力は十分にありましたね。というより向こうのアーティストは日常生活の時点で腹式呼吸・リアクションも大きいので日本の女性アーティストにありがちな「腹式呼吸できていない歌声」にならないです。少なくとも海外のアーティストで日本でも知名度があるアーティストは歌唱力に関して言うと完全に前提条件ですね。「うまいのが当たり前、それ以上のパフォーマンスが出来ないと世界クラスでは通用しない」、それはこのステージだけでなく今回のフェスであらためて身にしみました。
 代表曲である「According to You」を初めとして、曲も全体的にメロディーがはっきりしていて聴きやすい部類に入ると思います。ロックを主体としながらも特にジャンルを選んでいるという感じもなく、ポップな曲もあり激しい曲もありで総じて聴きやすい曲が多かった印象です。もちろんルックスもキュートで、「カッコカワイイ」という言葉が完全にしっくりきました。日本のオリコンでは1月リリースのアルバム『Believe』が最高4位にランクインしていますが、サマソニのステージをきっかけに今後更に人気が爆発する可能性も十分にありそうです。

・THE DRUMS(SONIC STAGE)
 USA, ブルックリンで2008年に結成されたバンド。ワールドデビュー作は今年6月リリースのアルバム『THE DRUMS』ということでつい最近。ですがCSの各音楽チャンネルではPower Pushにも推されていて、新人ながらまさに世界が注目するバンドということ。サマソニにも満を持して初登場になります。
 まず最初の曲のステージから面白かったですね。メンバーの1人がタンバリンを片手に持ちながら踊りまくっていました。それ以外にも1曲1曲リズミカルで面白い楽曲が続き、全体的にメンバーがノリノリで楽しみまくっていた、そんなステージだったように感じます。
 メンバーが楽しければオーディエンスが楽しいのは当然のこと。SONIC STAGEはアリーナとスタンドに分かれていますが、アリーナでは曲に合わせて踊りまくった、そんな人が多数だったのではないかと思います。
  余談ではありますが、この時私はどういうシチュエーションだったかというと暑さでバテバテでスタンド席でクタクタになりながら見ていた、という状況。SONIC STAGEに行ったのは一種の避暑みたいなものだったのです。なので途中から休憩のつもりで一睡してしまいました。というわけでこのステージで印象に残っているのはタンバリンを持ちながら踊るメンバーと、1小節ごとに繰り返されるとても心地良いドラムのリズム。サイドタンバリンといえばザ・スパイダースの井上順なんですがそれはあくまでMCの話。ステージを見て本当にサイドタンバリンだなと感じたのも今回が初めてで、それがやけに心に残りました。
 正直この日の暑さで出来る限りのステージを回ろうとするのは無謀です。THE DRUMSの皆さんには申し訳ないですが、フェスでの休憩は大事ということでその点だけはご了承して頂ければ…。

・SUM 41(OCEAN STAGE)
 日本でも有名な方々ですね。サマソニでは過去にヘッドライナーとしての出演もある、実績十分のロックバンド。このステージでも貫禄十分・なおかつ勢いも半端ない、そんなステージを見せつけてくれました。
 演奏された曲に関してよく知らないので細かい説明は出来ません。ただとにかくアゲアゲな曲が多くて盛り上がるにはこれ以上ないくらいの内容でした。あとあらためて感じたことは、やっぱり一つ一つの音が重いですね。日本のバンドはボーカル以外のメンバーがサポートに徹していると感じられることが多いですが(もちろん全部がそうという訳ではないですが)、少なくともこの人たちに関しては各パート、ボーカルも含めて対等に目立っている印象がありました。各パートの一つ一つの音がはっきりと目立っていて、また1曲の中でも各パート、最低一箇所は目立つ部分があったように思います。一曲一曲の構成については何とも言えませんが、見せ場を作るという部分で考えるとこの人たちはやっぱり世界クラスなんだなぁ、とあらためて感じたステージでした。
 激しい曲が多いので当然オーディエンスは大暴れ、フロントエリアでは色々な物が飛び交っていましたね。ペットボトルはもちろんのこと、タオルやキャップまで舞っていました。モッシュは当然として、もしかしたらダイブした人もいたかもしれません。それだけ人々を魅了させるステージだったということです。
 実は前日にボーカルのDeryck Whibleyが暴行を受けたというニュースがありましたが、少なくともステージ上では全くそんなことがあったように見えませんでした。まあ当然と言われれば当然のことかもしれませんね。

・HOLE(SKY STAGE)
 1990年代に活躍したロックバンドHOLEは今年8年ぶりに再結成。オリジナルメンバーはボーカルCourtney Loveのみで、とりわけ再結成というより新たなスタートと言った方が正しいでしょうか。SUMMER SONICはもちろん初登場、再結成後初めての日本のステージということで、とりわけ1990年代の全盛期を知る人たちにとっては大ニュースと言えるでしょう。
 さて、これまた私自身HOLEの音楽は聴いたことなくて、古い曲も最近の曲も区別がつかない状況。したがって第一声を聴いた印象は、これまた「日本にはいないタイプのアーティストだな」ということ。独特の少しシャガれたような声、メロディーラインがはっきりしない楽曲。すなわちボーカルのCourtneyの迫力で押し切ったようなステージという印象を個人的には持ちました。その迫力があればメロディーラインの有無というのはほぼ関係ないわけです。
 解散前、すなわち全盛期の楽曲もYoutubeにUPされているので色々聴きましたが、今回のライブとは少し違う雰囲気でした。まあ10年以上前なので当然と言われれば当然かもしれませんが、年齢を経た分アイドル的な部分が無くなり、貫禄が増したと言うべきなんでしょうか。それともよりディープな世界観が表出していると言うべきなんでしょうか。初見でこんなこと書いてもまるで説得力ありませんが、とりあえずパッと見て思いついたのはそういう表現でした。

・TAYLOR SWIFT(OCEAN STAGE)
 今年のグラミー賞で4部門を制覇した弱冠21歳の歌姫。バックバンドにはバイオリニストもいて相当ゴージャスな顔ぶれ、まさに世界を制した彼女にふさわしい内容のステージを見せてくれました。
 MCで見せる彼女はあくまでかわいい普通の女性。”オーサカ、ダイスキ!”と何度も口にしていましたが、そんな可憐な姿がおそらく普段の彼女。ですが曲に入るとまさにアーティストの顔つき。ステージからオーディエンス、あるいはその先を見据える眼にはただならぬオーラと威圧感。歌われている言葉がよくわからなくても訴えかける何かを感じさせる、これこそまさに世界レベルのステージに立つ者が持つオーラと言うべきなんでしょうか。個人的には「fifteen」という楽曲に特に感銘を受けました。
 日本と海外では、特に女性アーティストに関して言うとタイプが大きく異なっているように思います。日本の場合、特にアイドルに顕著ですが「清く」「正しく」「美しく」、あるいは「かわいい」「庶民的」「清楚」と言ったキーワードが好まれるイメージがあります。また「開けっぴろげ」で「開放的」よりも「奥ゆかしさ」が好まれる傾向もどこかしらあるように思います。一方海外の女性アーティストは「スター性」「開放的」「自立心」、そういった部分が日本人よりはっきりしているでしょうか。楽曲に関しては昨今日本も海外も大きく出来が異なるわけではないですが、ことライブパフォーマンスに関して言うとそれがはっきりと違いに表れているのかもしれません。
 可憐そうに見えるTaylor Swiftは時には長い髪を振り乱しつつ、本能のまま見事なパフォーマンスを演じました。そこには「かわいい」以上の物が確実に存在していました。これぞまさに世界を代表するアーティストと言わんばかりの見事なステージでした。

・STEVIE WONDER(OCEAN STAGE)
 1950年生まれで今年60歳。デビューは11歳、ビルボードで初めて1位を獲得したのは13歳の頃。つまりおよそ50年近く世界のトップシーンに君臨しているという、サマソニ史上でも屈指のビッグネーム。まず一言でライブを見た感想を書きましょう。「明らかに別格」。
 まずバックミュージシャンの数がもう他のアーティストには真似できない質と量。ギター、ベース、ドラム、パーカッション、サックス、コーラス、合唱、和太鼓その他打楽器、合計すると30人から40人くらいはいたでしょうか。国籍も白人・黒人・アジアなど様々。和太鼓を叩いた人は日本人でした。それこそStevieを筆頭に世界を代表する演奏家が集まって同じステージに立っている、そう言っても過言ではない超豪華な顔ぶれで、日本はおろか世界広しと言えども彼でないと集められないでしょうね。もちろんStevieもシンセサイザー、ピアノ、曲によってはハーモニカ。至高の名演奏をこれでもかと言うくらいに見せつけていました。
 曲に関しても日本のリスナーにとって馴染み深い曲のオンパレードで、全部で15曲近くやったでしょうか。もっともStevieクラスになると無数にヒット曲があるのでこれでも歌われていない曲はいくつかあるはずなんですが。しかも途中で「さくらさくら」や「sukiyaki」の演奏も弾いたりするという凄いサービス。
 「Happy Birthday」など数曲はオーディエンスとともに大合唱あり、息子とのデュエットまであり。ここまで演者とオーディエンスが一体になったライブはなかなかないですね。まさにライブの理想形。どの年代でも、曲をよく知らなくてもお互いに楽しめる。こんなライブは滅多に見れる物ではありません。ただただ凄かった、その一言がまさにしっくりくる内容のライブでした。


 というわけでSUMMER SONIC 2010のライブレポは終了です。体力と金銭面の問題で今年は2日目の参加は断念しました。普段あまり洋楽を聴かない私にとっても、いやだからこそ得る物が非常に大きかったフェスだったように思います。レビューすることはないにしろ、今後洋楽を聴く機会は個人的に増えるのではないかと感じています。ただステージのロケーションはやっぱりちょっと厳しい物がありました。出来ることなら次にサマソニに行く時は幕張で見たいですね…。
posted by Kersee at 10:00| Comment(0) | フリーライブ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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