2015年05月23日

2015.5.23 TOKYO METROPOLITAN ROCK FESTIVAL in 若洲公園

 通称メトロックと呼ばれているTOKYO METROPOLITAN ROCK FESTIVAL。初開催は2013年と比較的歴史の浅いロックフェスですが、少なくとも自分がフォローしているTwitter上ではかなり好評の声が大きかった印象でした。主催団体の中心はテレビ朝日。2011年から毎秋恒例のテレビ朝日ドリームフェスティバルを野外フェス方向に特化した内容とも言えるのでしょうか。23日、24日と土日開催になっているフェスですが、そのうちの1日目に今回は参戦しました。

 アクセスとステージについて先に説明します。アクセスは新木場駅からチケットを買えば無料で乗ることができるシャトルバス。バスは都営バスの貸切なので座席の保証は全くない詰め込み式。新木場駅から会場の若洲公園までは公園にあった標識を見る限り3.6km。歩けない距離ではないもののやはりこういうバスは必要になります。新木場駅は普段の路線バス発着もあるため、帰りは駅前まで通りますが行きはシャトルバス乗り場までかなり歩きます。人も多いので、時間帯によっても違いますが15分〜20分くらい待つと考えれば良いでしょうか。また会場側のシャトルバス降り場からフェス入り口までもそこそこに距離があります。リストバンド交換所はバスを降りてすぐですが、そこからゲートまで10分〜15分ほどありますね。こればかりは土地の制約上仕方ない部分だと思います。それを考慮してかどうかは分からないですが、ゲートに着くまでにステージは当然見えないながらも横を通るため、音だけは移動中もはっきり聴こえるという状況ではありました。

 ステージは3ステージ制。これは第1回から変化がないようです。メインステージはWINDMILL FIELD、かなりの人数が収容できるステージです。キャパは1万くらいになるでしょうか。ステージのすぐ奥に大きな風車があって、それが遠目でもはっきり見えるというのが特徴的。サブステージはSEASIDE PARKと名付けられていて配置的にはWINDMILL FIELDの反対側。両ステージ間の移動は15分ほどが目安になります。そしてこの2つの中間に設けられているやや小さなステージがNEW BEAT SQUARE。WINDMILL FIELDからほど近い位置になります。

 というわけで、いよいよ見たステージのレビューに入ります。今回は以下の顔ぶれ。
チャットモンチー(WINDMILL FIELD)
SHISHAMO(SEASIDE PARK)
高橋 優(SEASIDE PARK)
和楽器バンド(NEW BEAT SQUARE)
マキシマム ザ ホルモン(WINDMILL FIELD)
Perfume(WINDMILL FIELD)

チャットモンチー(WINDMILL FIELD)
 チャットモンチーも気がつけば今年で10周年。個人的に初めて見たのは2008年のROCK IN JAPAN FESTIVALなのでかなり長いです。時期で言うと「風吹けば恋」が発売された頃になるでしょうか。もちろん当時は3人体制だったのですがドラムが抜けて2人になります。2人のみの演奏の時期を経て昨年から男性のサポートメンバー・男陣が加わります。そして女性のサポートメンバー・乙女団を加えて今年発売されたシングルが「ときめき/隣の女」。そして今月発売されたアルバム『共鳴』は男陣、乙女団双方がレコーディングメンバーとして名を連ねました。今回はその両方のメンバーが揃う6人体制で初のステージになるということです。
 リハーサルから様々な音が鳴らされます。バンド音は勿論キーボードやシンセサイザー等の鍵盤系も加わってかなりバラエティ豊か。概ねリラックスしたゆるい雰囲気。なぜか大きい声で声援を送る男性が約一名。
 サポートの4人が登場して、満を持したようにメンバー2人が登場するオープニング。一定のリズムでドラム音が刻まれます。長いこと聴いてたらこれだけで演奏される曲が分かるものです。というわけでオープニングは「シャングリラ」。キーボード音が加わって、オリジナルとは装いも新たにという感じの演奏でした。ボーカル橋本絵莉子は出産後初めて見る形になりましたが、別段これまでと変わるところはなく今まで通りの歌唱でした。
 ですが演奏が終わると2人してサングラスをかけてラッパーに。”Yo! Yo! ラップやろうぜ!”という福岡晃子の進行で、みんなで韻を踏もうというコール&レスポンス。まさかのミカン箱に書かれた”合法 go home!””意地 Easy!””ひゅーひゅー夫婦””make money”といった4つのフレーズ。思いっきりヒップホップな展開で正直呆気にとられた部分もありますが、これは最新アルバム『共鳴』に収録されている曲。タイトルも凄くて、「ぜんぶカン」。歌っている(というよりラップしている)部分以外あっこぴんが言った同じことをほぼ繰り返すだけのハシエリさんの雰囲気はやはりそのまんまでした。そして楽曲中にバンドメンバー紹介。”ベースですけど本当はキーボードです!”という具合に男組・乙女団ともパートシャッフルされるのは今後もやはり日常茶飯事になるのでしょうか。
 次は男組セクション、乙女団セクションと綺麗に分かれる展開。まず男組での演奏は懐かしい「東京ハチミツオーケストラ」、前日のMステでも披露した「こころとあたま」。「東京ハチミツ〜」は今回の収録曲だと「いたちごっこ」と通じる部分があって、個人的にあらためて聴く機会が増えています。そういえば7年前のロッキンはこの曲が最初の演奏でした。乙女団の2曲は最新シングル曲「ときめき」、そして「Last Love Letter」。男組はドラムとギター&キーボードの編成であくまでもバンドメイン。乙女団はドラムとピアノで、どちらかと言うと後者の世武裕子が前に出ている印象。それゆえに3人体制時代のシングル曲「Last Love Letter」ではまた違った味わいが演奏から出ていました。
 それぞれのセクションごとの演奏が終わった後再びステージ上では2人になります。”さっきのラップどうだった?”とオーディエンスに聞く2人。暑い中オーディエンスの体調を気遣うあっこぴん、トイレで出ても大丈夫なんでという呼びかけの後に”全部見てるけどな”と語るハシエリ、そんなユルい雰囲気はやはり長いこと見ていても全く変わることなく。2人のみの演奏で始まるのは新しいアルバムのラストナンバー「ドライブ」。最初はドラムを叩くあっこぴん、1コーラス終わるとバンドメンバーが加わってベースに戻ります。男組&乙女団が加わった6人体制はダブルギター、ダブルドラムの豪華な体制。そして同じくアルバム収録曲「きみがその気なら」でステージ終了。
 新たな体制になって”超サイヤ人4になってみたい”と言うほどパワーアップしたことを自認していましたが、その言葉に全く疑いはなかったです。これだけ体制が変わっているのに雰囲気が変わらない、ですがサウンド面は確実に進化しています。ガールズバンドどころか過去のJ-ROCKバンドを見渡しても稀有な存在、あるいはもはやオンリーワンとも言い切れる状況でしょうか。これだけ変化を恐れないと言いますか、楽しんでいるように見えるバンドもそうはいないと思います。次に見る時もまた形が大きく変わってからになるのでしょうか。いずれにしても楽しみです。
共鳴(初回生産限定盤)(DVD付) - チャットモンチー
共鳴(初回生産限定盤)(DVD付) - チャットモンチー

SHISHAMO(SEASIDE PARK)
 チャットモンチーのステージ終了後すぐに移動。比較的時間のゆとりが多いこのフェスの中で個人的に最もタイトな時間帯になりました。2013年11月にメジャーデビュー以来作品が出るごとに注目度が大きく上がっている女性3ピースバンド。その勢いはまさに10年くらい前のチャットモンチーか、あるいはそれ以上のものがあるでしょうか。いずれにしても今回どうしても見たかったバンドですが時間帯と移動時間を考えるとなかなか難しく、結果的に最初の曲は移動中で耳にするのみという形になりました。
 その最初に演奏された曲は「僕に彼女ができたんだ」。Youtubeでの再生回数は現時点で約400万を誇る実質メジャーデビュー作。当然ながら注目度はやはり高く、SEASIDE PARKには既に多くの人が集まり更に加わるという状況。
 MCはボーカルかつ作詞作曲も担当する宮崎朝子がやはり中心。メトロック女子!メトロック男子!と言う具合にアンケートを兼ねた?コール&レスポンス。その限り専門学校生はあまりいないようですが。喋りは楽曲と同様やはりとりとめがないと言いますか自然と言いますか。時々えらく雑な口調になる場面も。時間の制約の関係でしょうか、残り2人の喋りが聴けなかったのは残念でしたが。ちなみにガールズバンドで成功している方々はほぼ全て満遍なくキャラが立っているメンバーの集まり、というのが個人的な持論。その辺はまたワンマンで見極めることになるとは思うのですが。もっともYoutubeのオフィシャル・イラスト動画で見る限りではやはり相当変わった、いや面白い人の集まりという印象も持てたのでこちらは今後に期待ということで。なおメトロックは初出演ですが2年前に客として来ていた模様。したがってこのステージに立つのはすごく嬉しいとの話でした。
 アルバム『SHISHAMO 2』リードナンバーの「僕、実は」演奏後、次はタオルを使う曲ということで会場の皆さんにタオルを出してもらいます。”♪一枚千円、二枚で二千円””♪ぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐる””♪持ってない人は物販コーナーまで”。ものすごくストレートな歌詞に乗せられた楽曲のタイトルは「タオル」。関ジャニ∞の「T.W.L」が完全に霞むようなこの曲はライブ限定で演奏される曲。実際彼女たちのマフラータオルを本当に1000円で買ってみましたが、購入者特典としてこの曲もストリーミング配信されていました。モバイルオフィシャルサイト有料会員になるとダウンロードで保存もできるということらしいです。4コマ風に構成された取扱説明書は絵もキュートでオチもあり、おそらくミュージシャンでなければ4コマ漫画作家として成功しそうな宮崎朝子のイラストも面白かったです。
 おそらく今後毎年この季節になるたびに演奏されること間違いなしの「君と夏フェス」、そしてラストは「さよならの季節」。5曲ですが今ある持ち歌の中で一番ベストなセットリストを組んだ印象でした。「さよならの季節」の中盤以降の流れは生で聴いてもやはり圧巻ですね。傑作という言葉がこれ以上似合うナンバーも滅多にないとあらためて感じました。
 ただ楽曲の凄さと比較するとステージはまだそこまで凄い段階まで到達していない印象もあります。チャットモンチーの直後だから余計にそう感じた部分もありますが。ただ若さゆえの勢いで持っていくバンドではそもそもないので、この辺り今後ステージを重ねるたび着実に良くなるのではないでしょうか。バンド自体のユニークさとセンスの良さはもう既に折り紙つきなので、あとは経験。おそらくは一時代を作るバンドになること間違いなしと思われるので、どこまでいくか今後非常に楽しみにしたいです。
SHISHAMO 2 - SHISHAMO
SHISHAMO 2 - SHISHAMO

高橋 優(SEASIDE PARK)
 前のステージが思った以上に早く終わったこともあってか、バックバンドのリハーサルが終わってもまだ30分ほどの余裕がありました。ここ最近のロックバンドは清涼感のある爽やかな方々が増えましたが、こちらのバンドの面々は非常に男らしい方々が集まった印象。ドラムに至っては緑色の髪のモヒカン頭。ですがメンバー同士で写真を撮り合う場面もあったりして、仲の良さは十分に伺うことができます。
 高橋優のライブを見るのは2013年のBBQ in つま恋以来で3回目ですが、今回は登場するだけでステージの雰囲気を掌握していましたね。勢い良く飛び出した後に早速演奏されたのは「パイオニア」「太陽と花」。非常に硬派かつ力強いバンド演奏が大変に映える2曲。『桐島、部活やめるってよ』の主題歌「陽はまた昇る」以降の高橋優は飾る部分を全く見せない素顔と楽曲が非常に好印象なんですが、それが早速出ている形でした。
 これまたメトロック初出演になる高橋優。”メトロポリタンって意味知ってますか?大都会ですよ!”というMC、秋田の田舎から出てきた自分にとってこの東京のフェスに出してもらえるというのは凄く嬉しいとのことでした。とにかくテンション高く喋りまくるMC、笑いもしっかり取っていてアミューズの諸先輩の良い所を脈々と受け継いでいます。続いては新曲「明日はきっといい日になる」。”僕にとってはすごく口ずさみやすくて憶えやすい歌なのでみなさん一緒に歌ってください!”とのMC、実際本当にシンプルな構成でかつ前向きで聴く人を勇気づけるような歌詞。ものすごく良い曲でした。今年でメジャーデビュー5周年ですが、それに相応しい楽曲ですね。
 そして圧巻だったのは「泣ぐ子はいねが」。歌詞の大半が秋田弁でほぼ聴き取れない歌なんですがという前置きのもとコール&レスポンスの教示。♪泣〜ぐ〜子は、いねが!♪泣〜ぐ〜子はいねが!の繰り返しですが勢いに乗って”メトロック!””メトロポリタン!””ナポリタン!””サムゲタン!”とだんだん意味が分からない方向に。でもこのステージと演奏の勢い、オーディエンスも全力で”メトロポリタン!””ナポリタン!”と返します。まさにステージとオーディエンスが一体になった、これがライブの醍醐味!と断言できる内容。凄まじいという一言では表現できないほどの雰囲気でした。
 そしてこれだけ盛り上がったものすごい内容の後にラストを締めるのは「福笑い」。”きっとこの世界の共通言語は英語じゃなく笑顔だと思う”の歌詞は元々ラジオのリスナーから送られた言葉だそうですが、それをこういった形で一人でも多くに伝えていく高橋優の楽曲。発表されてから4年経っていますが本当に素晴らしい楽曲ですね。この流れの後にラストで聴くにあたって最高の選曲で、思わず涙が出そうになりました。
 ここ最近男性ソロのミュージシャンで大ヒットしている歌手が本当に少なくなってきました。星野源、秦基博、レキシ、清水翔太、ナオト・インティライミといった面々は数も質も本来なら十二分に備わっている方ばかりなのですが…。ただ大器晩成という感じで年を経つほど魅力が出ることが多いのもこのジャンル。彼ももう30代なんですが、確実に最初に見た4年前より楽曲でもライブでもルックスでも魅力が増しているように思いました。以前から好きなアーティストの一人でしたがこのライブで相当その気持ちは強くなりました。早いうちにワンマンライブにも足を運びたいと、あらためて感じているところです。
【Amazon.co.jp限定】明日はきっといい日になる(初回限定盤)(5周年ロゴステッカーAmazon.co.jp Ver.付き) - 高橋優
【Amazon.co.jp限定】明日はきっといい日になる(初回限定盤)(5周年ロゴステッカーAmazon.co.jp Ver.付き) - 高橋優

和楽器バンド(NEW BEAT SQUARE)
 昨年アルバム『ボカロ三昧』が大変に話題になったこのバンド、どんなものかという感じでステージを見に行ってみましたが…。これまた大変に度肝を抜かすようなステージを展開していました。
 まずセットリストは「戦-ikusa-」「いろは唄」「花振舞」「星月夜」「セツナトリップ」「千本桜」。『ボカロ三昧』のイメージがまず強かったですがそのボカロカバーは3曲のみでそれ以外はオリジナル。「花振舞」は配信リリースの新曲のよう。楽曲に関しては「千本桜」以外ほとんど知らない状況でしたが(一応アルバムは一通り聴きましたが)パフォーマンスを見る限りそれはあまり関係なさそうで。そしてラストが「千本桜」だからこそ徐々に盛り上がっていく流れは完璧でした。はっきり言ってラスト2曲の盛り上がりは尋常ならざる状況でした。
 ボーカルは鈴華ゆう子。詩吟の師範代という経歴の持ち主。恐ろしく歌うまいです。ビブラートのかかり方と和服の似合い方は演歌でも全く問題なさそうで、声量もさることながら声質の美しさが際立っていました。曲を知らなくても彼女の歌目当てでライブに足を運びたくなるほどの領域ですね。”魅せるボーカル”というキャッチフレーズがここまで似合う人もいないんじゃないでしょうか。
 バンド演奏もそれぞれに見せ場があって素晴らしかったですがやはり取り上げないといけないのは和楽器の面々。太鼓、三味線、箏それぞれソロ演奏もあって大変目立っていましたが終始目立っていたのが尺八の神永大輔。ものすごく自由に動き回るステージング、力強さを感じさせる演奏、そしていかつい外見。世間がおそらく抱いているであろう尺八奏者のイメージを根本から崩していますね。衝撃という言葉では片付けられないほどで、もう凄かったです。それ以上の言葉は出て来ないですね。
 メトロックは勿論こういうロックフェスに出るのも今回が初めてということ。今後も今のところそういう予定はないよう(エイベックス所属なのでa-nationの可能性はあるかもしれませんが)。秋にはワンマンツアーが行われるらしいですが会場規模を見る限り、おそらく一般では即SOLD OUTになると思われます。だからこそこういうフェス等で見る機会があれば、曲を全く知らなくても必ず見て欲しいですね。ここまでジャンルレスなアーティストは他にいないと思います。おそらくこの人たちも3〜5年後にはアリーナクラスで全国ツアーをする存在になることでしょう。今後の展開も非常に楽しみです。
ボカロ三昧大演奏会 (DVD2枚組) -
ボカロ三昧大演奏会 (DVD2枚組) -

マキシマム ザ ホルモン(WINDMILL FIELD)
 ホルモンも2008年のRIJで初めて見て以来何年かに一度のペースで見ていますが、日が暮れる頃の時間帯で見るのは今回が初めて。基本真夏の灼熱地帯で満員の中見るという形なのでその点では少し新鮮でした。前回見たのは2013年のサマソニ大阪、Perfumeの直後で身動きが取れずテント横で必死になって頑張った記憶があります。そういえば2008年のRIJも同じ日の出演でした。今思うとなんだか浅からぬ縁を感じる部分が多いこの2組ですが、だからと言ってこの後の展開は予想できた話かと言われるとそんな訳もなく。
 もっともホルモンの曲は当時も今も実はそんなに聴いているわけでもなくて。セットリストは「What's up, people?!」「maximum the hormone」「「F」」「シミ」「ロッキンポ殺し」「セフィーロ・レディオ・カムバック 〜青春最下位〜」「アバラ・ボブ」「my girl」「メス豚のケツにビンタ(キックも)」「恋のスペルマ」。ただライブを見る上ではあまりそういうこと関係ないのがホルモンのステージ。さすがにワンマンだとそうはいかないとは思いますが。今回はかなり後ろの方で、ステージはおろかモニターさえも見えづらい位置からの観戦でしたがそれでもヘドバンしたり拳を上げたりしている方は大勢いました。後ろを見ると曲に合わせてヲタ芸ばりに踊っている方もいて自由な雰囲気。前方の様子はよく分からないですが、ペットボトルが天高く舞うのは完全にいつも通り。おそらくモッシュも相当なレベルで起こっていたことが容易に推測されます。
 MCが完全にダイスケはんとナヲ姉さんの漫才になっているのもいつも通り。わざわざダウンタウンDXやドッキリで使われる効果音まで用意しているという周到っぷり。意外にもメトロックは今回が初出演ということ。以前に別のライブでこのステージを使った際は中止寸前の田植え状態だったようですが今日は思いっきり暴れて欲しいという煽りがありました。その他特筆すべき点は、ナヲ姉さんは今回ママ友をこのステージに招待しているそうでわざわざ名前まで言ってダイスケはんに突っ込まれた部分、そしてステージ裏でハッピーな雰囲気を感じると思ったらPerfumeの3人が四つ葉のクローバーを探していたというエピソードでしょうか。これもまた2時間ほど後にものすごく大きな意味を持つ話になりましたがこの時点ではまだ予期できなかった部分。そして勿論ラスト前に恒例・恋のおまじない。麺カタこってり。もはや事前説明もなしでしたが後ろの方でも周りほぼ完璧に実演していました。まあ当然と言われれば当然の話ですが。
 7年経っても相変わらずマキシマム ザ ホルモンは凄いバンドであることを、あらためて感じさせる内容でした。こちらとしてはもう慣れた内容ですが初めて見た時はやはり衝撃的だと思ったものです。気がつけば「恋のメガラバ」はもう9年前。そういえば6年前ロッキンで見た時、横にいた母親が子どもにホルモンのステージを見せて英才教育している様を目撃しましたが、今はもう確実にロックキッズに育っているのでしょうか。これからナヲさんはまた妊活に入るそうですが、戻ってきたらまた10年でも20年でもこんな勢いのステージをずっと展開して欲しいとあらためて願います。
予襲復讐 - マキシマム ザ ホルモン
予襲復讐 - マキシマム ザ ホルモン

Perfume(WINDMILL FIELD)
 もうこのブログで何度となく書いている通り、自分が見てきたライブ史にとってPerfumeは欠かせないアーティストです。初めて行った夏フェスが2008年ROCK IN JAPAN FESTIVAL2日目、そのLAKE STAGEのトップバッターがPerfume。時はアルバム『GAME』がオリコン1位を取って大ブレイクした頃。サマソニ大阪で前の年にOpening Actとして出演したことはありますが本格的に夏フェス参戦はPerfumeにとってこの2008RIJが初。入場制限がかかるものすごい内容で、フェスという空気を非常に楽しんでいた3人。時は経ち5年後のRIJでは一番大きなGRASS STAGE最終日のトリに抜擢。昨年はちょうど全国ツアーの時期で夏フェス出演はありませんでしたが今年は2年ぶりに出演。その先陣を切る形が今回のメトロックになります。それと同時に国内でのライブはこのメトロックが今年初。ここ最近海外でのステージが多かったので久々の日本のステージ、オーディエンスだけでなく3人もかなり楽しみにしていたようでした。
 ホルモンのステージの後、後ろに向かう観客もいましたがそれ以上に前に前に流れる人の流れ。フロントエリアにほど近い位置に陣取ります。リハーサルはバンドではなく照明中心、お立ち台も作られます。夜になり風車にはライトアップが施されます。それはそれは非常に綺麗な光景でした。
DSC_0127[1].JPG
 ステージはまず「Pick Me Up」からスタート。当然のように前方ではモッシュが舞い起こります。「ポリリズム」「Cling Cling」と3人だけでなくオーディエンスも踊らせる曲が3つ続きます。ジャンプが単なる縦ノリだけでなく少しでも3人の表情を見ようとする手段も兼ねてる状況と言って良いでしょうか。フロントエリアは夜というシチュエーションと照明も相俟って、完全に巨大なダンスフロアと化している状況でした。
 いつもの挨拶を兼ねたMC。一旦水分補給に3人が掃けた後にのっちが一人前に出て喋るシーン、これを見てやはり普段のPerfumeの流れだなとあらためて感じ入ります。前のステージ・マキシマムザホルモンのナヲ姉さんのカメラ目線とウインクに感激したのっち、当然ながら”ウインクやって!”とのリクエスト。それをかしゆかにふり、さらにあ〜ちゃんにふり、最終的には”ここであんまり時間掛けとられんから”ということで3人でウインク。今年初めての日本のステージということで喋りたいことは山のように、林のように森のようにいっぱいあるというあ〜ちゃん。前日Mステでチャットモンチーと共演した時に話したかったことをあらためてここで話します。内容は1mm単位でサイズを合わせるダンスの時の靴のこだわり、3人も大ファンであるチャットの楽曲「8cmのピンヒール」とも掛けてそれを言いたかったという内容。生放送ではあ〜ちゃん言葉が出なくて結局何もほとんど伝えられないまま本番いきますという状況だったようで。
 そしてPerfumeのライブでは恒例・声出しのチーム分け。下手側が「た」、上手側が「か」、真ん中が「お」という分け方にした理由はこのフェスを主催しているテレ朝の山本たかお氏を讃えてのこと。ちなみに調べてみるとこの方はMUSIC STATIONの番組開始から現在まで深い関わりを持ち、テレ朝ドリフェスも立ち上げ、現在でも年間140本ほどライブに足を運ぶ御仁なんだとか(詳しくはコチラを参照)。メトロックも間違いなくこの人がいたから実現したフェスであることが、経歴を見ても非常によく分かりますね。大変に広いステージですが人はビッシリと埋まっていた上に熱度も相当あるようで、事実後方を呼びかけた際に発せられた声の大きさは3人だけでなく前方のオーディエンスもビックリしていました。
 ライブに戻って次に披露されるのは「いじわるなハロー」「SEVENTH HEAVEN」「Relax In The City」。最初の「Pick Me Up」と「Relax In The City」は4月29日に出たばかりのシングルでおそらくフルの振付はまだ未完成、したがってTV-Sizeという形でした。この辺りはおそらく7〜8月の夏フェス、遅くとも9月から行われるワンマンライブで完成形として披露されることになると思われます。そしてこの3曲が終わるとお待ちかねPTAのコーナー。”男子!””女子!””そうでない人!”、のっちによるとこの日はそうでない人の割合が相当多いようです。”メガネ!””裸眼!””今日のライブを超・超楽しみにしてきた人!”などの煽りを経て”上の歯、下の歯〜””食べたら磨こう約束げんまん””歯は磨こうね〜!”の流れ、これもお馴染み。そして他のアーティストの楽曲を勝手に拝借して踊るコーナー。今回は夏フェスの始まりということでポルノグラフィティ「ミュージック・アワー」から独特の、昭仁さんが言う変な踊りをみんなで一緒に。そして”イェイイェイイェイイェイイェイ”と「survival dAnce」をして「ultra soul」で4回ジャンプするという形。ここでPTAは前半が終了。
 後半はみんなで3人の動きを真似してもらうコーナー。まずは”手を振って!手を振って!”。後ろまで見渡してもかなりの左右の揃い具合に3人大感激。”海外ではみんなマイペースに左へ右へ振っとったからねぇ〜”と、こんなところで日本でのライブの凄さに感じ入るあ〜ちゃん。外内外外内外内内とこの後の楽曲で使う手先のフリ、そして2年くらい前から恒例になっているあ〜ちゃんの動きに合わせてみんなで一緒に真似するコーナー。まずは大きく手を広げて回す風車。これは大変に理解できるのですが次はなぜか大きく抱え上げて細かい動きを要求する鰹のポーズ。そのイキの良い動きにオーディエンスどころか横の2人も爆笑しますが皆さんも一緒になってやっているわけです。”風車!””鰹!”と矢継ぎ早に要求する中で突然入れられるのは”カブトムシ!”。もっともこれは手を上にあげて角の形状にするだけで単純なものでしたが。
 というわけでただでさえ熱いライブをさらにヒートアップさせた中でラストスパートとして選曲されたのは「Party Maker」。笑顔でみんなで楽しむPTAのコーナーとはまた違う、クールでものすごくカッコ良い踊りに目が釘付けになります。そして「レーザービーム」。夜の照明が最も映えるこの時間帯に選曲するにはまさにうってつけの内容で、当然のようにステージからは無数のレーザービームが発せられていました。
 オーディエンスの熱狂っぷりと多さにMC中何度も感心しきりの3人。時間も遅いので”半分くらいしか残っとらんと思とった”という言葉もありましたが当然ながらそんなワケはなく。そして本編ラストは「MY COLOR」。全員が一斉に右手を挙げる中で始まる歌い出し、ステージから見た光景はどんなものなんでしょうか。先述した外内外外…の他に複数の振り付け教示があるこの曲、決して単純なものではないので後方で初めて見た人は大変だったかと思いますがファンが多く占める前方では最初からかなりの揃い具合。トラックで聴く限りそこまで凄い楽曲という印象はないのですが、それだけにライブでここまで魅力的なステージに仕上がるのが余計に素晴らしいことであるとあらためて感じさせます。
 アンコールはここに来てまた超ダンサブルな楽曲「FAKE IT」。そしてラストはやはり「チョコレイト・ディスコ」。まあこれが選曲されないことは今までなかったしやっぱりそうなるよねと思った矢先にステージを見ると明らかに一人多い状態。誰かと思えばなんとマキシマムザホルモンのナヲ姉さんでした。ピンクのえらくかわいらしい衣装を着て一緒に踊っていますが、ビックリするくらい3人とダンスが揃っています。当然ながらスポットライトが当たるや否やものすごい歓声が起こっていました。曲が終わると勿論4人で色々喋ります。このコラボ自体はPerfume FESで既に企画されていましたがフェスでやるのは勿論初めて。過去2度のPerfume FESにはいずれも参加してもらって、しかも前回は韓国で一緒のステージだったということで今や大変に深い関係で結ばれた間柄。ナヲさんはものすごく緊張していたそうで吐きそうなほどだったようですが(さすがにゲロという言葉にはメンバーから総ツッコミを入れられてましたが)、いやいや見事なものでした。ちなみにナヲさんは間もなく妊活に入るそうなのでステージはこれでしばらくお預け。そういう意味でも相当貴重なステージになりました。
 ラストは3人で締めの挨拶。ちなみにPerfumeは今回で3回目の出演なんですが、あ〜ちゃんは最初若洲と豊洲を間違えて友達に教えてしまったという話を披露していました。数多くの経験、さらに海外のステージを経てメジャーデビュー期の10年前はおろか7年前と比べてもとんでもなく大きな存在になっているPerfumeですが、根本的な3人のキャラクターはやはり当時と変わりないようです。今年はメジャーデビュー10周年、それに合わせて色々イベントも企画しているようです。さしあたり10月の広島には足を運ぶ予定にしていますがそれ以外でも見る機会をおそらく作ることになると思います。毎年非常に楽しみにしていますが今年はどんな形に仕上がるのでしょうか。
Relax In The City / Pick Me Up (完全生産限定盤)(DVD付) - Perfume
Relax In The City / Pick Me Up (完全生産限定盤)(DVD付) - Perfume

 今回はこれまでのフェスで書いてきたレビューと比べても相当長い文章になっているかと思います。見た数は他と比べて多くはなかったですが書きたいことは非常に多く、それこそ山のように林のように森のように。おそらく読む方としてはかなり大変かと思いますが…。METROCKはやはりさすが東京というだけあって、色々な意味でかなり過ごしやすいフェスになっていました。若干トイレの数が少ない気もしましたがその分空き時間も多くなるように設定されていて、その点でも快適さをかなり重視していた内容に仕上げている印象です。このメトロックやゴールデンウィークに埼玉で行われるVIVA LA ROCK、以前から仙台で行われているARABAKI ROCK FESTIVALやお馴染み神戸のCOMIN' KOBEなどいよいよこの時期のロックフェスも根付いてきた感が強くなりました。ステージの数も増えれば当然アーティストごとの場数も増えます。カミコベに行った時にも感じたことですが、やはり5、6年前と比べるとステージの質は間違いなく向上している気がします。したがってこれからプロを目指すミュージシャン、特にバンドにとっては超えるべきハードルがどんどん高くなってる感じもしますね。

 見ている方は勿論楽しみが増えるというもので歓迎すべきことではありますが、その分どこまでこのフェス文化が発達していくのかという思いもあります。またライブはやはりそれなりに値段がかかるもので、このメトロックも1日で1万円近くのチケット代になります。そしてグッズなどの購入や食事などを合わせると結構な消費量にならざるを得なくなります。そうなってくると音楽に興味を持つ人とそうでない人の二極化、これが更に進行していくのではないかという懸念も少し出てきます。確かに今はCD購入はもちろんレンタルさえ使わなくてもYoutube等で簡単に曲を聴くことが出来るという文化にはなっていますが。素晴らしいライブや楽曲を作り上げること、演者にとっては今も昔もこれが最大目標ではあると思いますがそこに至るまでの過程として。彼らを支える立場の重要性は今後も更に高まることになりそうですね。話を広げようと思えばもはや日本経済に言及しないといけなくなるのでこれ以上深く突っ込むのは避けますが。

 いずれにしてもこの日は本当に最高のステージを満喫できた一日でした。こういった空間を少しでも多く作ることが出来れば自分にとってこれ以上嬉しいことはありません。自分が来年行くかどうかは別としてメトロックは大変に素晴らしいイベントだと思います。来年以降も長く続けていってほしいとあらためて願います。

posted by Kersee at 12:00| Comment(0) | 音楽フェスティバル | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: