2015年08月29日

2015.8.29 音楽と髭達2015 in HARD OFF ECOスタジアム新潟

 SWEET LOVE SHOWERやRUSH BALL、@JAM EXPOやアニサマなど各所で様々なジャンルの音楽フェスが開催された8月29日、新潟では「音楽と髭達」というイベントが開催されました。新潟総合テレビの番組『音楽と髭』主体で最初に開催されたのは1996年、それ以来今年で20回目を数える伝統ある音楽イベントになっています。会場は2005年以降長岡の国営越後丘陵公園での開催でしたが、前回からはHARD OFF ECOスタジアム新潟に場所を移しての開催となっています。
 新潟の音楽ファンで知らない人はおそらくいないというほどの重要度がある内容ですが、関西に住む私にとってこのフェスを知ったのは5月5日・新潟県民会館で初ホールワンマンを開催したNegiccoのライブ。彼女たちが初出演ということで、その後他のラインナップが発表されて見る限りこれを逃すと他で見られないようなアーティストが続々。ということで約4ヶ月という短いインターバルですが、再び新潟に向かうことになりました。そこで行われた全ステージをレビューしていきます。出演者は以下の通りです。

SPYAIR
Silent Siren
androp
高橋 優
郷ひろみ

Negicco
委員会バンド
東京スカパラダイスオーケストラ

パスピエ
秦 基博
KEYTALK

AAA
スキマスイッチ


 なおステージは音ステージと髭ステージの2ステージ制。2つのステージは横並びの形で、最初にSPYAIRが音ステージでライブをした後にSilent Sirenが髭ステージでライブして、それぞれ交互に進めていってラストはスキマスイッチの音ステージ、という構成でした。したがってステージ間のインターバルは5分〜10分でかなり短め。水分補給程度ならともかく食事をとる場合最低でも1ステージは犠牲にしないといけない状況でした。ですので個人的に今回食料はコンビニで買ったカレーパンとカロリーメイトで済ませる形になってしまいました。
 エリアはグラウンド上のスタンディングエリアと観客席のスタンドエリアに分かれる形。HARD OFF ECOスタジアム新潟はプロ野球公式戦も開催される野球場なので、当然そういう形式になります。アーティストの呼びかけはアリーナとスタンドという感じになっていました。今回は全てスタンディングエリア、2つのステージの境界線近くでフロントエリアのすぐ後ろという位置で見るという形が大半になりました。

SPYAIR
 新潟は前日から生憎といった具合の大雨。屋根のあるスタンドエリアはともかく、スタンディングエリアはレインコートが必須という状況。ですが少しずつ雨はやんでいき、FM新潟のDJの進行のもと11時に開演。トップを飾るのはSPYAIR。音髭は初出演、個人的には昨年のREQUESTAGEで見て以来約1年ぶり。
 喉を痛めて活動休止ということがあったので少し心配でしたが、その点については全く問題なさそうでした。彼らの持ち味である熱いロック魂をぶつけたような流石のステージングでしたが、もうひとつ熱いと言えなかったのがオーディエンスの反応。さすがにアリーナは盛り上がっていましたがスタンドの無反応っぷりが酷い状態。あまりの状況にボーカル・IKEが完全に戸惑ってしまう場面が何度も見受けられました。彼らの場合、オーディエンスの大合唱を想定したコーラスのある楽曲も多いので余計にそう感じたのかもしれません。
 セットリストは「OVERLOAD」「現状ディストラクション」「WENDY〜It's you〜」「ファイアスターター」「サムライハート (Some Like It Hot!!)」「イマジネーション」。「ファイアスターター」は新曲ですが、途中で歌詞を間違えていたようです。「サムライハート (Some Like It Hot!!)」ではタオル回しあり。ただスタンドを振り返るとほとんど回していた人がいなかったので、さすがにそれはちょっとないよなぁと思ったのは多分私だけではないと思います。確かに彼らの曲のカラーは決してバリエーション多くなく、逆にいうとかなりの一貫性があるとも言えるのですが…。
BEST (初回生産限定盤A)(DVD付) - SPYAIR
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Silent Siren
 「ビーサマ」「BANG! BANG! BANG!」と定番の夏ソングで始まりましたがボーカル・すぅちゃんの調子がどうも悪そう。後者に至っては歌い出しまで間違えるという状況でかなり厳しめ。で、MCになるとビックリするくらいのガラガラ声。声質が命のサイサイにとってこれはかなり致命的と言わざるを得ない状況でした。新曲「八月の夜」は聴きどころのBメロがやはり厳しかったですね。さすがに「ぐるぐるワンダーランド」はタオル回しということで、何とか盛り上がりを見せましたが。
 もちろん本人がMCで言っていた通り、サイサイの普段のライブはこんな状況ではありません。かわいいという声は当然ながら各所で飛んでいましたが、楽曲や演奏・チームワークも彼女たちの持ち味。演奏の上手さとキーボード・ゆかるんの盛り上げはやはり良かったですし、すぅちゃんをカバーするようにMCをするベース・あいにゃんの機転も流石でした。長く活動するにあたって喉のケアは大変重要になるかと思いますので、来年以降のフェスでは何とか全て万全の状態でステージに立てることを願いたいです。
八月の夜(初回生産限定盤A)(DVD付) - Silent Siren
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androp
 リハーサルから本人たちが出てきて少し演奏。その後本番で早速ドロップされたのはキラーチューン「Voice」。イントロの音から高揚感を掻き立てます。メジャーデビューアルバムから「MirrorDance」、最新アルバム『androp』から「Run」「One」を経てラストは三ツ矢サイダーCMでお馴染みの「Yeah! Yeah! Yeah!」。カッコよく締めるつもりが出だしを少しトチって演奏し直しというオチもありましたが、流石の内容でした。
 もう少しスタンドが盛り上がれば…という感もありましたが、最初に比べると会場は少しずつ温まってきたようでした。個人的には初見でしたが、シンプルに良いステージを展開していたという印象です。ボーカル・内澤崇仁の歌声は確実に響くものがありましたし、演奏や楽曲も案外かなりバリエーションが多い感じがしました。CMで使われたアルバム先行曲はキャッチーでかなり憶えやすく、ついつい口ずさみたくなるナンバー。今後も彼らの音楽にはおおいに期待したいと思わせる、そんなライブだったのではないでしょうか。
androp(初回限定盤)(DVD付) - androp
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高橋 優
 今年は5月にMETROCKで、その前は2年前のBBQ in つま恋で見ていますが見るたびに凄味を増している印象のある高橋優。今回も大変素晴らしかったです。まずは挨拶代わりに名曲「福笑い」。いつ聴いてもサビの歌詞はストレートに胸を打ちます。その後は激しい演奏に切り替わって「太陽と花」。そしてMC。前3組はスタンド席を盛り上げるのに四苦八苦していましたが彼は一番後方で立って踊っている集団に注目。”一番後ろまで見えてますよ!メガネかけていますからね!”流石です。天下のアミューズ、サザン・福山・BEGIN・ポルノ・Perfumeと引き継がれるMCの系譜はしっかりと継承されているようです。
 曲に込められた思いをそれぞれ説明して次に披露されたのは「明日もきっといい日になる」「おかえり」。「おかえり」は比較的最近、今年発売のベストアルバムで初収録になった曲ですがこれもまた素晴らしい曲でした。心の中のふるさとを思って歌ったというバラードですが、歌詞は勿論のこと一つ一つの言葉に思いを込めたような歌唱が本当に素晴らしかったです。ライブで完璧に聴き取れる歌手は案外あまりいないように私は感じるのですが、彼の歌声は本当に一言一句余すところなくはっきりと伝わります。声そのものも非常に大きいことを加えると、もしかしたら21世紀以降デビューの男性ソロ歌手で一番上手いのはブッチギリで彼なのではないかと思うほどです。それくらいの説得力を彼のステージから感じさせます。
 「泣ぐ子はいねが」は5月のメトロックでも演奏していましたが、この曲は今後しばらくはフェスの盛り上げナンバーとしてセトリに必ず入る曲になるでしょうか。コール&レスポンス、”泣ぐ子はいねが!””新潟!””やわ肌ネギ!””タレカツ!””俺のタレカツ!””君のタレカツ!”という具合で今回も絶好調でした。そしてラストは「同じ空の下」で見事に会場を纏め上げる締め。文句なしの神ステージでした。会場を温めたという点で考えると、今回の音髭のMVPは彼なのかもしれません。
高橋優 BEST 2009-2015 『笑う約束』(初回限定盤) - 高橋優
高橋優 BEST 2009-2015 『笑う約束』(初回限定盤) - 高橋優

郷ひろみ
 今回音髭に参戦を決めたのはこの人の名前があったからと言っても過言ではなかったと思います。今年は幕張サマソニなど、音楽フェスに初めて本格参戦ということで全国ツアーもある中さらに精力的に活動している郷ひろみ。鹿児島での公演が2日前、そこから新潟に移動して次の日は横須賀でまたワンマン。凄まじいスケジュールです。正直よくこのフェスに参戦したよなぁと思ってしまいました。もっともこのフェス出演は初ではなく、2年ぶりだったようですが。
 スカパラ風の生バンド、これだけでもかなりの迫力。彼らの演奏とオーディエンスの声援で出迎えという形で登場した郷ひろみは真っ赤な衣装。もう出てきた瞬間のオーラからして半端なかったです。スターという一語が瞬時に思い浮かびました。早速披露されるのは「GOLDFINGER '99」。出し惜しみしません。例のジャケットプレイ連発。サビの振り付けが著名な楽曲ですが、どう見ても歌っている時より間奏の方が動き激しいです。「デリンジャー☆」を経てMC。普段のライブとは全く客層が違うというオーディエンスに感謝を述べる内容。
 その後で演奏されるのは「男の子女の子」。43年前のデビュー曲です。会場にいた人の半分以上が生まれていない時期の楽曲だと思われますが、明らかにスタンドからもかなりの数が”GO! GO!”と曲に合わせて声援を送っていました。この衝撃は昨年RADIO CRAZYで「君といつまでも」を歌った加山雄三以来でしょうか。横のステージでは次に出演するNegiccoの演奏隊がリハーサルしていましたが、思いっきり割り込んでGO! GO!と掛け声をかけていました。彼らの目の前で郷ひろみが踊り歌うという構図は何度見ても信じられないような光景。さらに「お嫁サンバ」「How many いい顔」というキラーチューン連発。「男願Groove!」ではダンスの激しさが更に増して、会場中が大歓声の嵐でした。ラストはもちろん国民的アンセム「2億4千万の瞳」。当然ながら会場中に”おくせんまん!”の声が響き渡ります。舞台袖では既にNegiccoのメンバーが待機しているのが見えましたが、彼女たちも明らかにノリノリです。
 ただそれだけでは終わらないのが郷ひろみの凄いところ。歌い終わってアウトロが演奏される中ジャケットを脱ぎ捨て、陸上スタイルで舞台の端から端まで全力疾走1往復。60歳という年齢を考えると、およそ人間業とは思えないパフォーマンスでした。筋骨隆々の肉体は歌手というより完全にアスリートそのもの。サマソニのレポでは驚嘆の声が各所から挙がっていましたが、それは全く持って間違いではなかったです。郷ひろみ以前にデビューした歌手で彼のような活動をしてきた人は皆無なわけで、そう考えるとまさに生けるレジェンド。こう呼んでも全く差し支えのないステージでした。
THE GREATEST HITS OF HIROMI GO - ARRAY(0xd80e388)
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Negicco
 今回の出演者で音楽と髭達の凄さをおそらく最も感じていたのは、やはり新潟出身の3人になるでしょうか。2週間前に日比谷野外音楽堂単独公演を大成功させた彼女たち、これまた地元出身のバンドBRADIOにネギホルンを迎えた生バンド体制。万を持してのステージ…と言いたいところでしたが出演順が出演順なのでオーディエンスは移動する人が続々。見る限りネギライトを持って応援する人たちは数十人規模の一角と他チラホラという程度で結構なアウェイっぷりでした。地元なのにうーん…という感じでしたが逆に言うと地元にとってはまだ現状いつでも足を運べば割と簡単に見ることができる状況。そういったことも関係しているのでしょうか。
 演奏は「トリプル!WONDERLAND」に始まり「サンシャイン日本海」。「サンシャイン〜」はショートVer.でしたが曲の入りは生演奏ならではの醍醐味といった印象で、とても良かったです。この曲に関しては新潟で聴くと本当に格別の思いに浸られます。「ネガティヴ・ガールズ!」「さよならMusic」を経て新曲「ねぇ バーディア」。スタンドは全然動きがないように見えましたがスタンディングエリアは心なしか、少しずつ盛り上がりをみせ声援や拍手も大きくなりつつあるように聞こえました。
 ラストは「ときめきのヘッドライナー」。なんと普段やらないタオル回しの呼び掛け。BRADIOのメンバーも踊りやコーラスで加わり、この日だけのステージを必死で構築していたように見えました。MCはほとんどなく6曲ぶっ通しという形。会場の反応はともかくステージ上を見る限りだと、やるだけのことはやり切った!という印象でした。逆に言うとそこから更に多くの人に振り向いてもらうには、という新たな課題に直面したステージだったように思います。Negiccoの楽曲のプロデュースをしているconnieさんはTwitterで”野音でひとつ区切りがついて、音髭からまた新たな章が始まった”と呟いていますが、私も同じ感想を抱きました。そしていずれは音髭のスタジアムで、スタンドにもネギライトが一面光る光景を見てみたいという気持ちにもなりました。Negiccoのストーリーはまだまだ続きそうな気配です。
 なお次の日SWEET LOVE SHOWER出演のバンドがいくつか見受けられる中、彼女たちはなんと午前に新潟市役所BRT導入記念イベントのゲストとして出演するというスケジュールでした。夜にも東京でアイドルイベントに出演していましたが、これだけ大きい会場でのフェス出演の後に市役所のイベントに出演するアーティストはおそらく前代未聞ではないかと思われます。いずれはそうでなくなるのかもしれませんが、この振れ幅は今後より大きな存在になっても出来る限り継続していってほしいなぁと切に願います。
ねぇバーディア 初回限定盤A [CD+DVD] - Negicco
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委員会バンド
 TBS系列で年末おなじみの『クリスマスの約束』から生まれたユニット。メンバーは小田和正(元オフコース)、根本要(STARDUST REVUE)、水野良樹(いきものがかり)、大橋卓弥(スキマスイッチ)、常田真太郎(スキマスイッチ)の面々。構成はピアノの常田を下手側に、4人(大橋、水野、根本、小田)がそれぞれギターを持ちながらセッションという内容。楽曲は概ねカバー。まずは小田さんの紹介のもと、ガロの「美しすぎて」。大ヒットしたシングル「学生街の喫茶店」のB面に収録されていた楽曲のようです。そのまま続けて披露されたのは「Please Mr.Postman」(The Carpenters)。ちなみにビジョンには親切に、歌詞テロップも表示されていました。
 根本さんの進行でメンバー紹介後に天気の話題になり、さりげなく”♪雨上がりの空を見ていた”と「たしかなこと」の歌い出しをぶっ込む小田さん。一同総ツッコミ。オフコースにとってライバルだったというグループという紹介のもと、彼らのデビュー曲を歌います。チューリップの「魔法の黄色い靴」。そして続けて演奏されるのは「らいおんハート」。原曲バージョン以上の素晴らしいハーモニーを随所に聴かせてくれます。
 続いては若手チームの大橋・水野メインで進行。なんでも委員会バンドとしてのライブはこの日が最後のようで、”音楽性ではなく年齢性の違いで解散”というジョークも飛んでいました。1969年・モンキーズのヒット曲という紹介で「デイ・ドリーム・ビリーバー」。日本語詞での披露だったので正確に言うと忌野清志郎のカバーという方が適当だったでしょうか。ラストは唯一のオリジナル曲「約束」。勢いのあるステージが朝から続いた中でこのセクションは一種の清涼剤。スタジアムをまったりと癒される空間に仕上げていました。

東京スカパラダイスオーケストラ
 スカパラのステージを見るのは個人的に6年半ぶりで、ものすごく久々なんですがやはりデビュー20周年の安定感。当時と変わらず熱いパフォーマンスでスタンディングエリアをダンスエリアに代えていました。「ルパン三世'78」「火の玉ジャイヴ」などお馴染みの楽曲や、「銀河と迷路」といったボーカル曲もあってラインナップも様々。説明不要の素晴らしい内容に仕上がっていたと思います。このステージだけはセトリが特定できなかったので、情報のある方は投稿お待ちしています。
The Last (CD3枚組+DVD2枚組) - 東京スカパラダイスオーケストラ
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パスピエ
 パスピエも初見。こちらも個人的には大注目のステージでしたが、評判の高さは十二分に垣間見えた内容でした。ボーカル・大胡田なつきはなんとチャイナドレスで登場。ワイヤレスマイクが当たり前の中で緑色のコードを施したマイクで歌う辺りに独自性がよく表れています。
 「MATATABISTEP」からスタート。歌声と容姿を合わせると大胡田ちゃんがモデルにしているのはやはり元・JUDY AND MARYのYUKIになるんでしょうか。顔はどちらかと言うと若い時の中島みゆきに近い印象でしたが。いずれにしてもパンキッシュな歌声と立ち居振舞は個性派そのものでした。成田ハネダが作るキーボード主体の音楽も、パスピエならではの世界を作り上げるにあたって最も重要な要素の一つになっているようです。定番曲「S.S」の後は9月に発売されるアルバムから先行シングル「裏の裏」。そして「チャイナタウン」を経て「トキノワ」というセットリスト。いわゆる一度はまると抜けられない世界観ですね。機会があればまた是非ステージを見たいとあらためて思わせる内容でした。
娑婆ラバ(初回完全限定生産盤)(DVD付き)(パスピエ謹製ふろしき付き) - パスピエ
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秦 基博
 3年前のHIGHER GROUNDではまだ個人的に曲を知らない状況で、炎天下の灼熱の中で我慢できずに途中で抜ける形になりましたが彼をステージで見るのはその時以来。3年の間に新たな定番曲が生まれて、あらためて全体を見るという形になります。
 いきなり名曲「アイ」の弾き語りからスタート。美しい声がスタジアム中を反響して響きまくっています。野外の会場でしか味わえない音の響きを最も堪能できるひとときでした。バンドメンバーが登場して「グッバイ・アイザック」「Halation」。MCもまた彼の歌同様、朴訥とした感じで、”音楽と髭達に出るのは7年ぶり…むしろなんでその間呼ばれなかったのか。今日の出演者で髭が生えているのはスキマスイッチの常田さんと僕くらいしかいないのに”と。このMCはラスト2組にも流用されたことを考えると、今回のベストMCということになるのかもしれません。
 今年発売の曲「水彩の月」、そして9月に発売される映画主題歌「Q&A」と続きます。新曲はこれまでの彼らしい楽曲とはまた違うテイストで、なかなか面白い仕上がりになっていました。「鱗」を経て、ラストに歌われるのはやはりこの曲「ひまわりの約束」。イントロの演奏が始まった瞬間、1コーラス終わってからでも大きな拍手。この日一番の量だったかもしれません。あらためて沢山の人に、幅広い世代に大きく支持されているヒット曲の偉大さがすごく伝わる場面でした。彼の一連の楽曲については未だに開拓し切れていない面もあるので、次に見る機会があればシングル曲だけでもあらためて憶えていきたいと思っています。この日のセトリは全てシングル曲のようなので…。
Q & A(初回生産限定盤) - 秦 基博
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KEYTALK
 RADIO CRAZYでもCOMIN' KOBEでも同じ日に出演しているのにタイムスケジュールが重なって見れないという状況だったので、個人的にはようやく見ることが出来たという思いでした。こちらもリハーサルからメンバーが登場して演奏します。メンバーだけでなく前方のオーディエンスもリハーサルに臨んでいるかのような光景。
 ステージは「YURAMEKI SUMMER」からスタート。お祭りテイストのリズムにのせて最初からガンガンに飛ばします。「パラレル」「桜花爛漫」「太陽系リフレイン」「MONSTER DANCE」、途中でオーディエンスを乗せるタイプのMCはありましたが体感的にはほぼぶっ続けと言って良かったのではないでしょうか。後方からは確認できなかったですが前の方ではサークルも発生していたようです。ただスタンドにまで彼らの威勢の良さが届くにはもう少しといった印象もありました。10代のロックキッズに彼らの凄さは十二分に伝わっているはずなので、30代以上の広い世代へどう伝えていくかがやはり彼らにとっては今後の課題になるのではないかと思います。後者を無視するならそれはそれで良いのかもしれませんが、速いビートのノリやすさの中で私はメロディーの良さも彼らの武器ではないかと感じているので…。
HOT!(初回限定盤 <CD+DVD>) - KEYTALK
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AAA
 これもまた今回どうしても見ておきたかったステージの一つ。元来彼らはa-nation以外のフェスにあまり出ないはずなので、そういう意味では凄く貴重なステージといえます。もっともこれまた音髭の出演は初ではなく、3年ぶり2度目ということらしいですが。生では2010年にシングル「逢いたい理由/Dream After Dream」リリースイベントで見たことはあるのですが、ステージを見るのは今回がむろん初めて。
 今年の楽曲「LOVER」からまずはスタート。続く「恋音と雨空」は代表作。メンバー7人の美声が響きわたります。MCは秦さんの発言を受けて、我々は髭担当ゼロという話。そしてAAAの髭担当は宇野実紗子というフリにノリツッコミをする彼女。チームワークの良さがあらためて伺える場面でした。
 「Love In The Air」「さよならの前に」「SHOUT&SHAKE」と、ダンサブルとメロディアスが交互にくる構成の後で「ハリケーン・リリ、ボストン・マリ」。砲台を使ってタオルを打ち上げるアリーナ的演出は、常にそのクラスの会場を埋めている彼らならではの演出という印象でした。「PARTY IT UP」でラスト。全7曲、本当にあっという間のステージ。
 結局聴いていて頭に入っていた曲は半分くらいなんですが、まだあと2時間くらい見ていたいというのが正直な感想でした。曲を知らなくても歌声とダンスの振り付けを見るだけで飽きが全く来ない構成をしっかり作り上げているという印象がありました。そして男性メンバーは男から見ても本当にカッコよいですね。歌声も美しく決まっていますし、何よりファッションセンスがとても良いです。女性ファンが歓声をあげるのも当然といった具合ですね。MCでのべつもなく歓声を上げるのは話聴く方がいいんじゃないかなとも感じましたが、これはジャニーズ所属のアイドルとも共通している部分でしょうか。こういうフェス慣れしてないのはむしろメンバーよりファンの方じゃないのかというほどに、別のアーティストではノリが良くなかったという話もあるのでその辺り難しい部分になるのかもしれません。
AAA 10th ANNIVERSARY BEST(ALBUM3枚組+DVD) - AAA
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スキマスイッチ
 20回目を迎える今回のトリはスキマスイッチ。やや意外な感もありましたが彼らのキャリアを考えれば不思議な話でもなんでもなく。「パラボラヴァ」「僕と傘と日曜日」という比較的新しい曲からまずは入ります。近年の代表曲「Ah Yeah!!」までは比較的ノーマルな進行でしたが、ここからが真骨頂。まずは歌い出しからアカペラでためて歌う「ガラナ」。オリジナルのアレンジとは全く違います。スキマのステージは過去2度見ていますが、それらともまた全然違うアレンジだったような気がしました。ワンマンライブではそれこそ会場が変わるたびにアレンジも相当変わるという話らしいのですが。大橋卓弥は基本的に歌唱力を売りにタイプではないのであまり気にしていなかったのですが、あらためて聴くとものすごい歌唱力です。相当発声がしっかりしているタイプのように感じました。あるいは喉を痛めた経験が過去に何度かあるので、よりしっかりとした発声を身に着けた結果なのかもしれません。
 「ガラナ」でかなり時間を使ったせいもあるのか、5曲目にして本編ラスト。あまりにも早いです。大橋さんがこのフェスに対する思いを語ります。常田さんが奏でるピアノの音。もう何が演奏されるかはイントロが始まる前から容易に想像できるわけです。「奏(かなで)」。言うまでもない名曲中の名曲ですね。どこからかともなく発生した、スマートフォンから放たれる光をサイリウムにして左右に揺らす演出。これはワンマンでもお決まり、というわけではないようです。AAAファンが持ち込んだサイリウムをファンが揺らす、という人もおそらく多かったでしょうか。いずれにしても大変幻想的な、このフェスのトリにふさわしい雰囲気でした。
 演奏が終わり、すぐさまアンコールの声。もはや退場せずそのままステージで歌いだします。ロングトーンのコール&レスポンス、4小節、8小節、そしてラストは出来る限り伸ばすというパターン。大橋さんの伸ばしは次に演奏される楽曲のBPMで30〜40小節、あるいはもっとあったでしょうか。一言で言うとものすごいことになっていました。楽曲はやはりこの曲、「全力少年」。サビはオーディエンス全員で大合唱、大橋さんは何度もステージの端から端まで動き回るハイテンションなステージ。ライブにおけるスキマスイッチの凄さを存分に見せてくれた、フェスのトリとは何たるやということを示してくれた圧巻の内容でした。それとともに個人的にはここ最近あまりチェックしていなかった彼らの作品を、あらためて聴き直すきっかけになりそうなステージでもありました。
POPMAN'S WORLD~All Time Best 2003-2013~ - スキマスイッチ
POPMAN'S WORLD~All Time Best 2003-2013~ - スキマスイッチ


 様々なアーティスト、ジャンルも知名度もかなり幅がある今回のラインナップはオーディエンスの反応に大きな差が生まれるということをあらためて感じさせる内容でした。ステージ間のインターバルがほとんどなかったのもそれに拍車を掛けたのかもしれません。そうなると重要なのは一に誰しもが知っているヒット曲と知名度、その次にあらゆる人が凄いと感じさせるパフォーマンス。特に若手のアーティストにとっては本当に勉強になる部分が大きいイベントだったような気がしますね。ジャンル内でトップを獲ることも当然大切なことですが、今回の幅広い客層・広い会場の中で空気を掴むアーティストこそが本当の国民的人気を持ったミュージシャン、ということになるでしょうか。次にこのイベントに足を運ぶのがいつになるか、あるいは今後訪れるかどうかは分からないですが新潟を代表する音楽フェスティバルとして、末永く続くことをあらためて願います。
posted by Kersee at 11:00| Comment(0) | 音楽フェスティバル | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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