2015年11月02日

2015.11.2 Eir Aoi Special Live 2015 WORLD OF BLUE at 日本武道館

 東京オリンピックの柔道競技会場として1964年に開館して以来、多くのスポーツ競技が開催されている日本武道館ですが、コンサート会場としても聖地であるのは広く知られている通り。初めてのコンサートはクラシックで1965年、ザ・ビートルズの来日公演が開催され大熱狂になったのは1966年。日本のアーティストでは1971年、ザ・タイガースの解散公演が最初で、ソロ歌手だと1975年の西城秀樹が初ワンマン。武道館公演がステータスになったのはいつ頃からなのかはっきりとはしませんが、1980年代の時点で既に一つの目標になっていたことは容易に推測されます。爆風スランプが「大きな玉ねぎの下で」を初めて武道館で歌ったのは1985年。2015年になった今では九段下の駅メロディーとして採用されています。歌手・ミュージシャンを志す者全員が武道館ワンマンを目標とするのは、今も昔も変わりありません。

 2015年11月2日に初の武道館ワンマン公演を実現させた藍井エイル。2011年デビューで今年5年目。アニメタイアップの楽曲を中心に少しずつ実績を積み上げてきました。エネルギッシュなステージとかなりの声量を誇る歌唱力は折り紙つきで、いずれはこの地に立つであろう歌手ではありましたが今回ついにそれが実現しました。『AUBE』ツアー以降なんばHatch、NHK大阪ホールで合計3度見ているだけあって、より大きなステージで見ることは私にとっても待望でした。その様子を早速レポしていきます。

D'AZUR(初回生産限定盤A)(Blu-ray Disc付) - 藍井エイル
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 日本武道館のキャパシティは8000〜10000人程度と言われています。自分が過去に足を運んだ会場のキャパは1500人程度。売れ行きはどうかというところでしたが、開場時間に並ぶ2階スタンド席は長蛇の列。会場に入ってみるとアリーナ、1階席、2階席ともにほぼビッシリ(偶然私の横はオークションか何かの影響で3席空いていましたが)。最上段立見もいるような雰囲気でした。これだけの人数が初武道館で集まるということにまず素晴らしいと感じました。客層は勿論男性メインですが女性もそこそこにいて、40代〜50代以上と思われる方もチラホラ。こちらも初めて見た昨年春頃と比べると確実に広がりを見せているようです。グッズを身に着けている人は心なしか少ないようにも見えましたが、公演グッズが割とカジュアルだったからそう思えただけかもしれません。ただパッと見は常連より初めて見るという方が圧倒的に多いようにも感じました。

 ステージはメインの広い部分と、そこから分岐する島が一つあるという一般的なもの。一応メインは二層式になっています。バンドを下のステージに置き、上段から登場してスポットライトが照らされます。最初の曲は「アヴァロン・ブルー」。のっけから超人気の定番でおおいに盛り上げます。会場は勿論青色のサイリウムでいっぱい。当然ながらこれまでの会場より圧倒的に広さも人の多さも倍以上。圧倒される部分もステージに立つ方はあるかと思いますが、明らかに圧倒していたのは演者のエイルと演奏するバンドの方でした。

 今年の6月ワンマンと9月のイナズマでは若干声の調子の悪さも感じましたが、当然ながらこの日の武道館は格と重みが違います。歌い始まった瞬間にこの日に照準を合わせたと思わせるパフォーマンス、完璧でした。緊張がそうさせる部分もあったのでしょう。2曲目は「シンシアの光」。メロディーの良さとパフォーマンスの素晴らしさに、見ているこちらは早くも感動で泣きそうになってしまいました。「AURORA」、そして「GENESIS」。「GENESIS」では色合い豊かなレーザー光線演出で、早くもアリーナ級ならではという思いにかられました。そして1回目のMC。あまりの緊張でスープ1杯しか口にできなかったということと雨が止んでよかったということ、今日のライブを一緒に盛り上げようという内容でした。

 続いて演奏されたのは「KASUMI」、これは『AUBE』の先行曲で演奏される機会も多いですが次に演奏されたのはほぼ初聴。炎の演出がこれまたアリーナ会場ならではでしたがこれは「Back To Zero」。デビューシングル「MEMORIA」のカップリング曲。そしてビジョン(これもまたアリーナならではですね)に歌詞が表示される「クロイウタ」。打って変わってのシリアスなバラード、初めて彼女のライブに行った時にあまりの素晴らしいステージに鳥肌が立ちましたがそれを思い出しました。独特の世界をしっかり作り上げていましたね。

 島のステージではギターソロの演奏が始まります。その間にエイルは衣装を替えてそのままそちらに向かいます。ギターのみのシンプルな演奏のもと披露されるのは「A New Day」。心が浄化されるようなバラードです。このままMC。ここでギターを弾いていたのは彼女への楽曲提供も多い安田貴広。Aoというバンドのメンバーです。元々彼女はAoのファンで、デビューする前に挨拶にうかがったこともあるそう。ただ安田さんはその当時のことを憶えていなかったようですが。同じ北海道出身、そして”青”ということで共通点のある2人。ちなみに安田さんにとっても初めてとなる武道館のステージ。島のステージでギターを弾くという話を聞いてから、こちらも食事が喉を通らない状況だったそうです。ステージは気持ち良いとともに、あまりの緊張で吐きそうという感想も残していました。続いて演奏されるのは「Roses」。彼のギターの他にストリングス隊、そしてバンドの演奏も再び加わります。安田さんが去り、メインステージに戻って披露されたのはスケールの大きいバラード「虹の音」。武道館の隅々にまで彼女の声が響き渡るステージでした。バンド音はかなり大きめに調整されていた印象もありますが、彼女の声はそれにかき消されること全くなく本当にしっかりしたもの。大迫力の内容でした。

 10曲終了。ここからいよいよ盛り上がる展開ということでまずは「コバルト・スカイ」。タオル回し定番曲ですサイリウムもしっかり振られていました。さらに「サンビカ」。一気に会場をヒートアップさせてから次に披露されたのは今年のアルバム『D'AZUR』から「ゆらり」。再び炎が吹き上がる演出。直後のMCで珍しく大汗をかいてつゆだくと言っていましたが、それは概ね会場の盛り上がりによるものですが炎の近くで歌ったことも一つの理由だったように思いました。

 今年は武道館公演の前にワールドツアーも行っていましたが、その時に訪れた海外の写真が映像で流れます。ゴールドを基調とした衣装に替わって、引き続き演奏される「青の世界」もまた新アルバム『D'AZUR』のラストを飾る名曲。聴き応えが大変ある美しいバラードで、クライマックス感に満ち満ちていました。文字通り青を基調としたビジョンの映像も非常に綺麗に仕上がっていました。この曲はライブ初披露だったようですが続く曲も同様。10月28日に発売されたばかりの新曲「シューゲイザー」。北海道の大先輩・GLAYのHISASHIが提供したロックテイストは先ほどとは対照的に、赤を基調とした照明演出。カッコ良さに渋さも入れたような、新しい世界を作り出していました。

 イントロのピアノの音が流れた瞬間おおいに盛り上がる楽曲といえば「INNOCENCE」。もうこの曲が演奏されるようになるといよいよライブも終盤戦の合図でしょうか。ラストサビ繰り返しにエイルがマイクを向けて全員で大合唱というのもお馴染みの光景ですが武道館ともなると規模が違います。それは今年発表された「Bright Future」でも同様。”ウォーウォーウォウォー”と全員で一緒に歌う場面の一体感は尋常ならざるものがありました。おそらくこの曲もまた来年以降必ず歌われる曲になるものと思われます。定番の「シリウス」、更に「IGNITE」では冒頭サビを歌った直後に大爆発の演出。ここまで19曲、会場のテンションも本人もおそらく今までにないほどの最高潮。そして本編ラストは「ラピスラズリ」。イントロが流れた瞬間にそれだと分かる完成度の高さは初めて聴いた時に大感動しましたが、本編ラストにこれを持ってくるセトリに個人的にまた感動。それに加えて渾身の力で、思いの丈がものすごく伝わる歌唱。涙なしで見ることは出来ない内容で、楽曲単位で考えるこれまで見たステージの中で間違いなく5本の指に入るものでした。

 アンコールはまず「MEMORIA」をオーケストラバージョンで。この荘厳なる雰囲気もまた生演奏・武道館ならではのもの。そしてバンド紹介。頼れるお兄さんことドラム・楠瀬拓哉、初めてイベントで武道館に立った時ステージでこけたのを目撃したベース・黒須克彦、ライブを更に盛り上げようと促すギター・土屋浩一、グッズのリュックに”これで原宿も怖くない”と絶賛するギター・新井弘毅。そして3年前彼女のライブに参加した時の打ち上げで”3年後武道館でワンマンやります!”という宣言を目前で聞いて、それが実現していることが嬉しいと語るキーボード&バンマス・重永亮介。Aoのギター・安田貴広も再登場、ストリングスの紹介もありました。今回のバンドメンバーはほぼ全員が初めて武道館で演奏する形になったのだそうです。なおMCでの言及はありませんでしたがドラムの楠瀬は元Hysteric Blueのタクヤ。ヒスブル時代に武道館公演がなかったかと考えると結構意外な気もしました。

 アンコールは新曲のカップリングから「HaNaZaKaRi」。「ラピスラズリ」の路線を継承したような楽曲で、これも今後定番になりそうですね。そしてラスト。ライブでラストを告げるときに”えー!”と返すのは定番なんですが、”本当は嫌なんだけど”と言う辺りに彼女とメンバーがものすごく楽しんでいたライブということが非常に伝わりました。ラストは「ツナガルオモイ」。以前から会場に足を運ぶファンに”新しい世界に連れてってもらえた”という表現をMCで使っていますが、その感謝の想いをそのまま歌にしたような歌詞。やはりこの曲もラストのラストに相応しい内容ですね。歌い出し、そして歌う前に涙。その涙は武道館で出来たことの喜び・達成感でしょうか、盛り上げてくれたファンに対する感動・感謝なのでしょうか、あるいはこの曲がラストになるという寂しさ・もっと歌いたいという願望なのでしょうか。これだけ色々な想いが交錯しているような涙もあまりないような気がしました。”エイエイルー!”と5回+1回唱和して、そして肉声で武道館のファン全員に感謝を述べて締めました。あっという間の2時間半でしたが、その時の速さは彼女自身が一番感じていることではないかなと思います。


 武道館はPerfume関連で2度行っていますが、”初のワンマン武道館公演”に行くのは今回が初めてになりました。過去に3度彼女のワンマンに行ったからというのもありますが、なんだか達成感がこちらにまで伝わるような内容というのが正直な感想でした。初めて見た時から彼女はもっと大きい会場でのライブを見たいと思っていたので、はっきり申し上げると感無量という一言に尽きます。映像のモニターが設置されていること、レーザービームなどに代表される照明演出、そして炎が吹き上がり大爆発が起こる演出。紙テープは以前にもあったような記憶ありますが、いずれにしても大会場ならではの演出を見ると余計にここまで来れて本当に良かったという気持ちになります。キャパもしっかり埋まっていてまさに大成功。”リスタート”という表現も彼女は使っていましたが、これがゴールではなくむしろ更に大きくなっていきそうな。そんな可能性もしっかり抱かせるライブだったように感じました。遠くから本当に足を運んだ甲斐があったと感じさせる、最高のライブでした。
 来年の全国ツアーも決定、こちらは関西だとBIG CATにKYOTO MUSEに神戸VARIT.なのでキャパはむしろ小さくなっていますが”ライブハウスツアー”と銘打たれ会場も16、初めて回る都市も出てきました。となると下半期は大都市メインのホールツアーか再び武道館という形になるのかもしれません。おそらく来年も、またその先も彼女のワンマンには参戦することになるでしょう。パワフルという言葉では足りないほどの彼女のライブ、まだ行ったことない人は是非足を運ぶことをお薦めしたいです。

シューゲイザー(初回生産限定盤A)(Blu-ray Disc付) - 藍井エイル
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posted by Kersee at 18:30| Comment(0) | ワンマンライブ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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