2016年03月21日

2016.3.21 Negicco Second Tour『The Music Band of Negicco』 in umeda AKASO

 一年の計はNegiccoにあり、となるとちょっと大げさかもしれませんが今年の当ブログのライブレポはNegiccoのセカンドツアーから書き始めたいと思います。サトウ食品の鏡餅のコマーシャルは既に全国的にお馴染みになっているので、間違ってはいないはずです。おそらく。

 今回のツアーはNEGiBANDと名付けられたバンドメンバーが帯同しています。昨年の日比谷野音ワンマンから今回も参加するのはオオニシユウスケ(G)、鹿島達也(B)、mabanua(Dr)、真藤敬利(Key/Standard Prototype)、小林岳五郎(Key)の5名。というわけで3月21日のumeda AKASO公演の様子、早速どうぞ。

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 春といえばumeda AKASO、というのはおそらく私だけだと思いますが、不思議とこの時期この会場に足を運ぶ機会が巡ってきています。昨年の4月に大森靖子、一昨年も4月にPASSPO☆のステージをここで見ています。相変わらず梅田のカオスな成分を凝縮したロケーションに位置していますが、会場規模は関西のライブハウスの中でも比較的大きめ。Zepp Namba、なんばHatch、BIG CATの次にキャパは大きく約700ほど。昨年のツアーの大阪会場は心斎橋にあるRUIDOで約300、いくらなんでもそれは狭すぎるだろうと思いましたが今回は倍近く。ですが会場は後ろの方までかなり埋まっていたようでした。Negiccoのワンマンの客層は概ね30代〜50代の男性がメインですが、昨年と比べると客層は確実に広がっているようです。決して割合は高くないですが女性専用エリアも会場には作られていて、そこも結構埋まっていました。

 いつものSEが流れてライブがスタートするわけですが、まず目に入ったのがバンドセットにある譜面台。白から緑に至るその色はまさしくネギ色に染まっています。緑と白に塗られているオオニシさんのギターも大きなアクセント。3人が登場した際の衣装も白を基調としたもので、スカートには緑色の装飾。これもネギ仕様。というわけで、本編が始まる前の時点で既に、今回のツアーに対する力の入り具合がよく分かる状況でした。まずは挨拶代わりに定番曲「光のシュプール」。続く「トリプル! WONDERLAND」の演奏は生バンドならではというところで、オリジナルとはまた違った味わいがありました。盛り上がりに関してはむろんどちらも上々でしたが。

 最初のMCはつい先日沖縄に行ったという話題。むろん休みではなく仕事だったようですが。休みで思いっきり楽しみたいというトークから、なぜかトロピカルなバンドアレンジで先ほど歌った「光のシュプール」を一節。のっけから随分ハイスペックな場面に出くわしましたが、これが序章であることに気づくまで時間はそんなにかかりませんでした。また、新潟ではなくこういった地方でサトウのCMが流れているのを見るたびに感慨深くなると話もしていました。即興でCMソングをやろうとしましたがこちらはうまく揃わず。もっともこういうアドリブ、うまくいくと単純に凄いという評価、うまくいかない時もうまくいかずに笑顔になる3人がかわいいという評価に落ち着きます。なんだかズルい気もします。こんな感じで見切り発車で始まって、オチがないことがオチになっているようなトークも一度や二度ではありません。でもそこがNegiccoの醍醐味なんだろうなぁということは行くたびに感じます。

 ここから4曲演奏。「1000%の片想い」「新しい恋のうた」「自由に」「アイドルばかり聴かないで」。セリフのある「自由に」で地方ごとに一節歌詞を変えるのも、こういうツアーならでは。それと全体的に言えることですが、ソロで1人歌う横で踊る表情の2人(それぞれ3通り組み合わせありますが)、表情といい動きといい”遊び”を感じさせる場面が今回とても多かったです。こういう部分もいわゆる”その場限りのLIVE Ver.”と言えるでしょうか。大阪ということで、かの横山ホットブラザーズ御大の代名詞”おまえはあほか”をみんなでコールする場面も。一応バンドメンバーは大阪出身者もいるようですが、そうじゃなければさすがのNao☆ちゃんもネタとして使うことがあったのかどうか。そういえば”アホちゃいまんねんパーでんねん”というギャグも今回アドリブで流用していました。さすが21世紀アイドル界の”昭和の女”はひと味違います。曲が終わってからのMCでも、”大阪といえば、とんでまわって”ということでまさかの生バンドで「夢想花」のサビをカバー。とんでとんで、まわってまわってでひたすら動き回る3人と光り舞うネギライト。こんなところで勝手にカバーされるとは、円広志もさぞやビックリしていることでしょう。ちなみに公演後の特典会でメンバーに尋ねたところ、こういったMCのくだりは演奏を含めて全てアドリブだそうです。恐ろしい対応力です。なおライブとは関係ありませんが、この日関西で放送された明石家さんま司会のバラエティー番組”痛快!明石家電視台”のゲストは円広志でした。

 続いてはアコースティックな雰囲気のナンバーを3曲。最初の「君といる街」に入る前には、一緒にユニットも組んだEspeciaとの思い出も語っていました。「クリームソーダ Love」はオリジナルよりもユッタリとしたテンポ、いつも自然に入るコールがほとんど入らない辺りにオーディエンスの音楽センスの高さを感じる部分もあったような。この辺りが、通常のアイドル以上に年齢層がやや高めのNegicco現場ならではの良さだと行くたびに感じるところですが。「おやすみ」ではすっかり会場が聴き入り、3人の笑顔に酔いしれる空間が作られました。

 そんな雰囲気の中で次に放たれるのは”サトウさんのグッズ紹介コーナー!”。Nao☆ちゃんのセリフをもとに生バンド演奏のもと2人が芝居。ちょっと無理のある台本にやや大げさな表情のつけ方と動き、それはまるで深夜に放送されるテレフォンショッピングのようでした。さっきの曲の余韻を自らぶち壊しにするようなこの落差。凄まじいです。こういった物販紹介のセクションは意外と各アーティストの個性が出るところで面白い部分も多いのですが、個人的には自分が今まで見た中で最高傑作に近いかもしれません。開演前にTシャツを買った私ですが、特典会で並ぶついでにトートバッグも買ったのはおそらくこれを見たせいではないかと思っているところです。

 そんな激ユルなコーナーが展開された後に演奏される2曲もまた凄まじい落差。今回NEGiBANDの演奏・対応力の高さは全編にわたって感じたところですが、最もその凄さを感じたのはこのセクションでした。初めて聴いた時に生演奏ならものすごく大変だろうと感じた「BLUE, GREEN, RED AND GONE」、ドラムの刻み方の細かさ・リズムの特異性がとんでもないことになっていました。これを完璧に演奏するドラムのmabanuaさんは恐ろしいテクの持ち主であると感じたのは、きっと私だけではないはずです。もう何百曲以上ライブでバンド演奏を聴いているか分からないくらいですが、多分この曲が一番難しいんじゃないかと本当に思ってしまいました。もう1曲の「二人の遊戯」も含め、ステージに立つ3人の表情・動きもここではプロフェッショナルそのもので、ユルさを微塵も感じさせないもの。さっきまであんな調子でグッズ紹介していたのと同一人物とは全く思えません。

 あとは定石通り盛り上がる「GET IT ON!」「圧倒的なスタイル」「さよならMusic」「ときめきのヘッドライナー」。生バンドという部分以外はこれまでと同様、最高潮の盛り上がりと多幸感に支配された空間を作り上げていました。一曲目にかえぽが出だしをトチって演奏し直しになる場面がありましたが、これも生バンドだから見られた場面というところでしょうか。曲前はちょっとしたコール&レスポンスとどこから来たか訪ねる場面。概ね大阪や関西の人という辺り。ぽんちゃが”一ヶ所以上来たよって人?”と尋ねた後に前方のオーディエンスとメンバーからツッコミ入る辺りもらしいと感じさせる部分でした。アンコールは比較的直近のナンバーである「カナールの窓辺」「矛盾はじめました」「ねぇバーディア」。ライブでナチュラルにハモリが入る曲をしっかり決める辺りに、アーティストとしての表現面の広がりを感じさせずにはいられなかったです。


 レビューブログの方で、昨年2015年アルバムレビュー1作目で『Rice&Snow』を書いた時に”果たして今年中にこのアルバムを超える作品が出てくるのでしょうか”と書きました。結果はここで示した通り、自分の中では2015年文句無しの1位作品に輝くという結果になりました。今年はこれが一番最初に足を運んだライブになりましたが、やはり感想を書くとすると”果たしてこのライブを超える現場に出くわすことがあるのでしょうか”というのが先にくるかもしれません。まあ個々のライブで順位をつける予定は全くありませんが…。

 昨年の全国ツアーと比べると、全ての部分で大きな進化を遂げているという印象でした。会場の規模や客層は最初に述べた通りですが、生バンドということを抜きにしても3人のパフォーマンスには自信が表れているように見えました。それと同時にバンドメンバー含め、出演者全員が心からチームワーク抜群で楽しんでいるからこそ現場も楽しい雰囲気になるということを強く感じさせた内容でした。特にMCにおけるバンドの入れ方はセッションの領域で、効果音だけ(ここまでなら他のアーティストでも多々あります)でなく即興で一節歌が入るのも今後Negiccoワンマン恒例行事になりそうな予感を非常に強く感じさせたものです。「夢想花」のくだりが本当に事前演習なしでその場のノリだけで構成されていたとしたら、とんでもなく恐ろしいことです。リズムや音をその場のフィーリングでそれらしくするバンドの腕もクローズアップされる必要があると思います。昨年末の「圧倒的なスタイル」リメイクも今月発売の新曲「矛盾、はじめました」もNEGiBANDが欠かせない楽曲に仕上がっています。そうなるとしばらく、少なくともワンマンライブにおいてはこのスタイルが標準になりそうな予感がします。個人的には大変素晴らしいことだと思います。

 Negiccoは最高のアイドルであるとともに、また最高のアーティストでもあると最近すごく痛感します。どちらの側面から見ても本当に素晴らしい内容で、更に言うとライブ終了後の特典会の握手で直接話すことが出来る時間も明らかに他より長いです。もしかすると来年は大阪だと更に大きい会場、BIG CATやなんばHatch辺りでのワンマンになるかもしれません。日本武道館もそう遠くない将来だと思います。ただ規模が大きくなるとともに色々な客も来るわけで、こういったほんわかな雰囲気をどこまで持続できるのかどうかが少し不安になり始めているところです。ライブパフォーマンスの良さは変わらないにしても、今後特典会の一人あたりの時間が少しずつ短くなるんじゃないかなぁとはどうしても思ってしまいます。贅沢な悩みと言われればそれまでですが…。この辺り心情としては複雑です。またバニラビーンズやlyrical schoolがT-Palette Recordsからメジャーレーベルに移籍しているのを見ると、彼女たちも先のことを考えた場合ワーナー辺りに移籍した方がいいんじゃないか、と思いつつもあえてT-Paletteにこだわったまま紅白出場までいって欲しいという気持ちもあったり。この幸せな空間は絶対に失われてはいけない、もはや”文化”みたいなものだからこそ余計に色々と考えさせる部分があるような。そんな気持ちにもなります。

 「アイドルばかり聴かないで」を初めて見てから約3年、確実に少しずつ進歩していた結果が大きな歩みになっているのが今のNegicco。ただ今回一番恐ろしいと感じたのは、どう考えても今がピークではないということ。これが結成14年目というのだから尚更。間違いなく前例のないグループと化しています。そしておそらく今後似たようなグループも出てこないしょう。ナンバーワンよりオンリーワン、いやむしろナンバーワンのオンリーワン。次にNegiccoを見る機会がいつになるかは分かりませんが、多分そんなに先にはならないはず。ただ今よりも大きな会場になると思います。いずれにしても今回みたいなライブハウスで見る機会は今後少なくなっていくことでしょう。そういう意味では直近のライブ、特に大事にして見ていきたいと思っているところです。

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posted by Kersee at 18:00| Comment(0) | ワンマンライブ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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