先に会場を説明すると、今回は新潟市江南区にある北方文化博物館・西門広場野外ステージでの開催。通常ここで音楽ライブが行われることはほとんどなく、唯一開催されたのが2013年12月・新潟が誇るミュージシャンであるヒルクライムのワンマン。今回のチケットは博物館の入館料込みで設定されていて、特に開演前は多くの人が館内を訪れてお土産も入手していました。私も後昼祭の開演前に足を運びましたが、歴史のある建物と展示品に大変唸らされました。特に大広間から眺める庭園の景色、素晴らしかったですね。写真も一枚載せますが、おそらく来月の今頃は本当に絶景だと思います。博物館のHPはこちら。当日は土産屋や喫茶などでもNegiccoのアルバムがBGMで流れていましたが、これがまた風景とすごくマッチしていました。音楽がそういう雰囲気にさせるのか、あるいは新潟の風土がそういった音楽にさせているのか、実際どちらなのかは分からないですが…。いずれにしても、こういった機会でなくても足を運ぶ価値が十二分にある建物であることは間違いありません。興味のある方、あるいは新潟にお住まいの方は是非行ってみることをお薦めしたいです。

さてステージをレビューします。本祭に出演したのは以下の面々。
スカート
中島 愛
ORIGINAL LOVE
Negicco
スカート
トップバッターを飾るのは、NEGiFES最多出演を誇る澤部渡のソロプロジェクト・スカート(と言っても2回目ですが)。Negiccoとは特にかえぽと縁深く、Kaede生誕祭では毎回バックバンドを担当。そのかえぽとの共演で「glamorous life」から始まります。2曲目以降は、心地良い音楽の演奏が続々。ソウルフルな歌声と美しく確かなメロディーは、秦基博のようでもありスピッツのようでもありくるりのようでもあり。ただMCは大柄な体型も十二分に活かした?笑いに満ちた内容。見た目通りの(失礼)ユニークなキャラクターでした。翌日NHKの生放送『シブヤノオト』出演を控えていて、この時点で相当緊張していたそうですがステージは全く間違いなく、流石の内容。またサポートのバックバンドに関して書くと、ドラムの佐久間裕太とパーカッションのシマダボーイが時折向かい合って歌うシーンが印象的でした。その佐久間さんは、スカートのグッズTシャツを身に着けてのプレイ。楽曲は全て初聴でしたが、非常に優れた演奏だったので退屈する場面は全くありませんでした。
ラストは先日かえぽに提供した「あの娘が暮らす街」をセッション、終演後はNegicco3人とのトーク。今月リリースのメジャー1stアルバム『20/20』も宣伝。直後の物販コーナーでは本人が直接ブースに出向いて、購入されたシャツにサインしていました。7日は新潟でネギフェス、8日は東京でNHK生出演、更に言うと9日は大阪でMINAMI WHEELに出演。大忙しの週末ですが、メジャーデビュー以降は更に忙しくなりそうな予感。その分、早いうちに現場で見る機会もまた出来そうです。
1.glamorous life(ボーイソロ曲 feat. かえぽ) 2.視界良好 3.いい夜 4. CALL 5.ストーリー 6.ランプトン 7.すみか 8.静かな夜がいい 9.さよなら!さよなら! 10.あの娘が暮らす街(feat.かえぽ)でした!明日はNHKシブヤノオトだ!
— 澤部渡 (@skirt_oh_skirt) 2017年10月7日

【早期購入特典あり】20/20(トゥエンティトゥエンティ) - スカート
中島 愛
愛と書いて”めぐみ”と読む中島愛、本業は声優。こういった野外イベントで歌う機会は過去にも殆どないようですが、なんでもNao☆ちゃんが昔から彼女の大ファンなのだそうです。各ステージ前にNegicco3人が次のアーティストを紹介するのですが、Nao☆ちゃんはこの時点で心臓バクバクの様子。バックバンドをしたがえて登場する彼女、”まめぐ”という名前で親しまれています。多くの女性声優と同様、非常に美しいルックス。オーラがあります。「最高の瞬間」「TRY UNITE」とまずは2曲披露。
さてNao☆ちゃんが憧れるまめぐですが、こちらも相当なNegiccoファンだそうです。2013年のアルバム『Melody Palette』がきっかけなのだそうですが、そこから次々エピソードが出てきます。Nao☆ちゃん生誕祭で一般客に混じって最前列でコールしてた、初新潟がNegiccoの新潟テルサワンマン、NHKホールでは関係者席で次に登場する田島貴男の隣り…などなど。ですので田島さん本人の”サンシャイン!”コールを真横で聴いていたそうですが、さすがに大先輩に自分から肩を組んでラインダンス…とはいかなかったようです。4年前にアルバムをブログで紹介した際にNao☆ちゃんが反応して、それ以来非常に深い親交があるみたいようですね。彼女のNegiccoに対する深い愛は、こちらのインタビューにも記載されています。
続いて演奏される「パンプキンケーキ」は、彼女が憧れているPIZZICATO FIVEの野宮真貴がコーラスで参加してくれた曲だそうです。それと同時に、Nao☆ちゃんがまめぐの曲で一番好きな楽曲でもあるそうです。続いて演奏される「ジェリーフィッシュの告白」もまたNao☆ちゃんにとって特別な存在の一曲。この日の天気は曇り空でしたが、「ジェリー〜」の演奏途中少し雨が降り始めました。ところが曲が終わる頃には太陽が見えて晴れの天気に。どうやら気候もこのフェスの演出に大きな役割を果たしているようです。ちなみに前日まで新潟はかなり寒かったようで、公式でも上着の用意などが推奨されていました。この日は雨の予報もありましたが、一日通して降ったのはこの場面くらいで、あとはほぼ曇り空。非常に過ごしやすい天候でした。
彼女のNegicco愛は語り出すと止まりません。好きな曲に「ルートセヴンの記憶」「ニュートリノ・ラヴ」などを選ぶ辺りが本物の証。「Hello!」「ワタシノセカイ」を経て、10月に発売される新曲をここでライブ初披露。アニメ『ネト充のススメ』オープニングテーマに起用されている「サタデー・ナイト・クエスチョン」は、フジファブリックのメンバーが楽曲提供。イントロのキーボードの旋律の時点で、まさにそれだと分かるナンバーでした。鮮やかな楽曲・歌声は、これまで演奏された楽曲の後に聴くと彼女の新境地にも思える内容だったように感じます。
ラストはNegiccoとのコラボステージ。ここまでまだ演奏していない、彼女のキャリアの中で一番有名なナンバー「星間飛行」。『マクロスF』のランカ・リーとして初めての音楽作品を、4人で一緒に踊ります。まめぐの横で一緒に踊るNao☆ちゃんは、完全に本人と動きが一致しています。ただ表情は思いっきり崩れています。彼女にとっては最も憧れの存在である中島愛、それは本人によると夢が叶う以上の出来事。一緒に歌い、踊り、キラッ☆と決めポーズ。完全に感極まっている姿に、思わず見ている方もウルッと来てしまいます。まめぐのデビューは2008年、それはNegiccoが最も苦境を迎えていた頃…。当時のことを考えると、確かに信じられない出来事なのは間違いなさそうです。本当にお互いの、これでもかというくらいの愛に溢れた名ステージでした。今後もお互いのライブで、関係者席ややもすると一般客に混じって応援している姿を見られることは間違いなさそうです。
もう、なんて言って良いのか胸がいっぱいになりすぎて本当に素敵な1日過ぎて、、
— Nao☆@Negicco (@Nao_NGC) 2017年10月7日
まめぐさんのパンプキンケーキからのジェリーフィッシュの告白は涙涙でした。。そして、ジェリーフィッシュの告白の時に曇っていた空から光が差して来て心も体も温かくなって、、、
まめぐさん本当に大好きです💓💓💓

サタデー・ナイト・クエスチョン - 中島愛
ORIGINAL LOVE
NegiccoとORIGINAL LOVE・田島貴男との縁は何と言っても2014年リリースのシングル「サンシャイン日本海」。以来、田島さんはすっかりNegicco大好きになったようで、ライブに飛び入り参加したり小沢健二(!)にCDを配布したり。Twitterを見てるとこの人こんなキャラだっけ?と、特にNegicco絡みの話題で感じる場面もありましたが、実際あらためて見ると本当にこんなキャラクターのようで。とにかくテンション明るいと言いますか自由と言いますか。渋谷系を標榜していた(させられていた?)20年前のイメージとはかなり違う印象でした。そのテンションの高さは、ファンから”テンション貴男”とも呼ばれているとか。
それはキャラクターだけでなく音楽もそうです。最初の「Body Fresher」からものすごくソウルフルかつファンキー。それこそ中南米の音楽を聴いているかのような。非常にカッコ良いです。早速オーディエンスの心を掴んだところで2曲目は早くも「サンシャイン日本海」のセルフカバー。自ら”1, 2, サンシャイン!”とコールしています。更にサンシャイン繋がりということで「サンシャインロマンス」。サービス精神旺盛なセットリストの後にNegiccoを呼び込みます。
コラボコーナーで演奏されるのは2曲。ひとつは「Falling Stars」をジャズアレンジ。自らのライブでも披露するというこの曲ですが、聴く側は勿論Negicco3人にとっても優れた生演奏を味わえる良い機会。もう1つは「光のシュプール」、こちらもこのステージならではの生演奏アレンジ。
あとは名曲「接吻」を経て、「フリーライド」「Two Vibrations」「The Rover」。バンドメンバーもコーラス・真城めぐみ、ギター・木暮晋也といった具合に、おそらくツアーでもこのメンバーで回っているだろうと思われる本気の顔ぶれ。このステージへの意気込みと、これまたホスト役であるNegiccoへの愛を随所に感じさせた素晴らしいステージでした。なお田島さんは前日に新潟入りしていて、前夜祭にもプライベートで見に行ったそう。グルメではイタリアンが気に入ったようで、隙あらばアドリブのスキャットでイタリアンを連発していました。もっともそのテンションの高さはやや暴走気味でもあったので、ステージ後のトークは若干大変そうでしたが。ただ田島さんが話していた、”Negiccoのもとには本当に良い音楽が集まる”というのはまさしくその通りだと実感。終始”こんにちネギネギ””こんにちタジタジ”と連発していましたが、その愛はNegiccoの活動が続く限り無くなることはなさそうです。
NEGIFES独特の温もりは、やはりNegiccoが発していて、そこに奇跡的に集まった彼女達を取り巻く音楽好きのスタッフ達が作り出していて。僕たちを迎え入れ楽しんでくれる温かいお客さんとか、新潟の美味しいフードとか。こういう場がいつまでもあって欲しいと思った日。皆さんありがとう! pic.twitter.com/l14LxyABzB
— 田島貴男 オリジナル・ラブ (@tajima_takao) 2017年10月7日

プラチナムベスト ORIGINAL LOVE~CANYON YEARS SINGLES&MORE(UHQCD) - ORIGINAL LOVE
Negicco
このフェスでは開会挨拶に始まり、他のアーティストとのコラボやそれ以外でも進行役を務めるなど大忙しでしたが本編はやはり彼女たちのステージ。1日目は盛り上がりと、新潟色をやや強めに出した曲を揃えてきました。「トリプル!WONDERLAND」から始まるセットリスト。それに続くのは、先ほどまめぐも好きな曲の一つに挙げていた「RELISH」。MCを挟んで披露されたのは、新潟に行くと聞きたくなる国道7号線をテーマにした「ルートセヴンの記憶」。先ほど田島さんが歌っていましたがこちらも新潟の風景にピッタリの「サンシャイン日本海」。そして昨年末の苗場で行われたイベントのテーマソングとなった「私をネギーに連れてって」。直後のMCでは、今年も苗場でファンの皆さんと一緒にイベントやりたい…と話していましたが。相変わらずオチなしで思いついたまま話す感じのかえぽは、良い意味でTwitterそのまま。それでも彼女に限らずとても微笑ましく感じてしまうのは、キャリアもそうですがやはり人柄の良さなのでしょう。
「自由に」も定番になりました。ぽんちゃが歌う横でNao☆ちゃんとかえぽはアルファベットの人文字を作りますが、特にNao☆ちゃんは所々逆になっていたりして完成度は全く高くないです。それでも良いと思えるのは、やはり人柄と新潟ならではの風土と、あとは楽曲のテーマによるもの。自由だからこそ楽しい、そう思える空間はとても安心できます。その一方で「圧倒的なスタイル」は会場全員ラインダンス、こちらは定番ならではの楽しさ。同じ楽しさでも種類としては対比を成していて、あらためて考えると大変興味深いセットリストです。ラスト前は「ねぇ バーディア」、本当に何度聴いても感動的なくらいに名曲です。ここまでは3人とネギホーンズの演奏で盛り上げていましたが、ラストはNegiccoの3人だけで「愛は光」。最新ベストアルバムに収録されているこの曲もまた、3人の溢れ出んばかりの愛が会場中にしみわたる素晴らしいパフォーマンスでした。
前日の前夜祭を体調不良で欠席したNao☆ちゃんはやはりあまり調子良くないようで、冒頭の挨拶の喋りからセクシーハスキーボイスという状況でした。ただこういう時だからこそ、ファンもより応援したいと思うもの。元々の発声が良いということもあって、高音は難しいもののステージが進むにつれ声が良くなっていたように感じたのは私だけでしょうか。そういう点では、個人的に何度も足を運んでいるからということもありますが、本調子でないからこそ先々を占う上で大きな意味があるステージだったのかもしれません。
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Negicco 2011~2017 -BEST- 2 [CD+Blu-ray Disc] - Negicco
本祭のレポは以上です。後昼祭と、グルメなどステージ以外の様子は次の記事で。
ネギフェス初日にご来場なされた皆様お疲れ様でした。心地よい充実感に包まれていることと思います。私たちも皆様全員がルールやマナーを大事にして下さったことに爽やかな気持ちにさせていただきました。巡回中の警備の方や村の方々も皆「大丈夫だね」と笑顔で挨拶を交わせました。お礼申し上げます。
— 北方文化博物館 (@hoppo_bunka) 2017年10月7日
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