2018年07月22日

2018.7.22 チャットモンチーの徳島こなそんフェス2018 最終日 in アスティとくしま(後編)

 こなそんフェス2日目、前編がかなりの長文になったので2記事に分けました。1日目も参加の場合、4つに記事を分けないといけない形でしたね。チャットモンチー完結ということもありますが、それ以上に大変内容の濃いフェスでした。あと3組、以下の顔ぶれです。

森山直太朗
スピッツ
チャットモンチー


森山直太朗


 ここまで3組はライブハウスで活動するバンドでしたが、彼の主戦場は全国各地のホール。バックバンドも多く引き連れています。さすが紅白歌合戦出場3回・CDミリオン達成実績のあるアーティストと感じるわけですが。フェスには時折出演しますが、バンド系と比べるとやはり多くはなく。というわけで個人的にはようやくの初見という形でした。
 「魂、それはあいつからの贈り物」からスタート。2016年の楽曲で初聴ですが、力の入った良い曲です。流石の貫禄を見せつけていますが、曲終わりのMCは肩の力が抜けまくったような喋り。彼のキャラクターの濃さは常々噂に聞いていますが、その通りの内容でした。なんてことを考えているうちに、大変不自然な虫の音がマイクに入り込みます。どうやらその虫は退治できた…というわけで次の演奏曲は「よく虫が死んでいる」。アップテンポでノリの良い楽曲ですが、タイトルが示す通りなかなかにトホホな歌詞です。マジメな曲とそうでない曲のギャップは、もしかすると米米CLUB以来かもしれません。
 次に演奏されるのは「夏の終わり」。言うまでもない、森山直太朗を代表するバラード。夏の終わりというにはまだ早いですが、夏に聴きたい楽曲としては間違いなく上位に入ります。独特の声質には声量も十二分に備わっていて、15年以上のキャリアで毎年ホールツアーが出来る人は違うなぁとあらためて感じ入ったところで、次の曲もしんみりしたバラード。ところが歌詞が明らかにおかしいです。これは何年か前に各所で噂になったあの曲…そうです、「うんこ」。このフレーズが登場した瞬間、場内失笑。「夏の終わり」と続けて同じテンションで歌う辺り、頭がおかしいです。
 さてここで特別ゲストが登場。おぎやはぎとか、良子とかの声も挙がる中で登場したのは当然チャットモンチーの2人。呼びかけは”チャットとモンチー”、その後もずっと”チャット&モンチー”と言い続ける直太朗さん。2人からそれぞれ名前の訂正を求めるも、スルーしてそのまま演奏進行。楽曲は名盤『生命力』に収録されている「世界が終わる夜に」。3人でのステージ、ちなみに彼らは一緒に旅行へ行くくらいには仲良しなのだそうです。

 セッション明けの演奏は「どこもかしこも駐車場」。これまた何とも言えないタイトルですが、なかなかのメッセージ性と憶えやすさ。アルバム『自由の限界』収録曲、シングルではないのですがもう少し広く知られて欲しい楽曲だと思いました。ラストはピアノのみの演奏でお馴染み「さくら」。15年前にテレビで見た時と比べると、どことなく余裕と優しさが加わった歌声のような気がしました。短い時間でしたが彼の魅力がふんだんに詰まったステージ、あらためて近年の楽曲を聴き直して機会があればまた見たいと感じました。


スピッツ


 日本人なら知らない人の方が圧倒的に少ないと思われる大御所、全国ツアーの最中にも関わらずチャットモンチーの為にイベント参加。更に言うと冒頭2曲はチャットモンチーがスピッツ主催のフェスでカバーした「バニーガール」、逆にスピッツがチャット主催の対バンライブでカバーした「シャングリラ」。「バニーガール」の件は後で知った形ですが、なんと粋な計らいなのでしょうか。直後のMCも含めて、人柄の素晴らしさを垣間見た瞬間でした。「シャングリラ」は演奏していても非常に楽しい曲だそうで、”この曲もらえないかな?”と話すほど。
 個人的にスピッツを見るのは久々で、2012年のHIGHER GROUND以来。その時は「チェリー」「涙がキラリ☆」も交えつつややマイナーな楽曲が中心でしたが、今回の3曲目以降はヒット曲連発。「魔法のコトバ」「空も飛べるはず」、MCを挟んで「スピカ」「運命の人」「1987→」という具合。個人的には「スピカ」を聴けたのがものすごく嬉しかったです。「運命の人」は原曲より若干アコースティックな演奏、その後の「1987→」と対を成していました。それにしてもメンバー揃って50歳ですが、すごく若々しいです。MCによると松岡修造と同い年だそうで、これに関しては会場中で反応に困っていましたが…。


ヤンシー&マリコンヌ
 吉本新喜劇が誇るギタリスト・松浦真也と宝塚やリアルゴリラのネタでお馴染み・森田まりこが組んだユニット。リンボーダンスしようとすると森田まりこが体を松浦に寄せてセクハラにする、みたいな歌ネタをやっていました。それにしてもこの10年で新喜劇メンバーの舞台以外での活躍が本当に増えたなぁと、しみじみ感じるところです。

チャットモンチー
 チャットモンチー完結のアナウンスがあったのは昨年11月24日のこと。それから迎えたこの日2018年7月22日。このステージがチャットモンチーとしてラストということで、あっこぴんが少し泣きそうになります。そんな時に”私に任せて!”と励ますえっちゃん。どちらかと言うと普段のMCはあっこぴんが喋ってえっちゃんはマイペースという展開ですが、ここでそのセリフが出る部分に橋本絵莉子の限りない強さを感じた次第。ワンマンではなくこういうフェスでの解散をおススメする辺りがえっちゃんのえっちゃんたる所以。
 最初はまず2人で演奏。FM徳島のジングル「きっきょん」を生で披露。

 ちなみにこのジングルも、請われて作ったのではなくメンバーが勝手に曲を作ってFM徳島に持ち寄ってそのまま採用になったのだとか。えっちゃん曰く、30秒くらいで作れたらしいです。で、こなそんフェスに合わせた歌詞も2番として作ったようで、そちらも生で披露。
 ここからは前日同様、ドラムを参加アーティストにゲスト演奏してもらって、3人編成で歌う形。ラストでは高橋久美子も復活するという演出もありました。この日もそれに準じる形ですが、紹介はゲストの名前を最初に呼び上げるのではなくプロフィールをまず読み上げます。好きな食べ物、生まれ変わったらなりたい動物…といった具合。最初に登場するドラマーはかわいらしいプロフィール。というわけでHump Backの美咲ちゃんが登場。「恋の煙」「湯気」を演奏します。
 「恋の煙」は美咲ちゃんが一番演奏したい曲、「湯気」は言うまでもなくトリビュートアルバムでもカバーした曲。本編でも披露していた「湯気」がここでも見れるという展開が熱かったですが、美咲ちゃんの立場として考えるとこの日ラストを迎える本物のメンバー2人の後ろでドラマーとして叩くという、漫画でもあり得ないような展開。表情は、やはり感動で涙を浮かべていたように見えましたがドラムの腕は間違いなし。演奏後のチャット2人も美咲ちゃんを絶賛、スピリットはそのまま受け継がれる形になるのでしょうか。Hump Backにとって、2018年7月22日は本当に忘れられないだけでなく、今後続くバンド活動についても間違いなく大きな一日になりそうです。
 2組目に登場する方、プロフィールはとにかくうどんを押しています。チャットの2人が少し呆れ気味に紹介するのは四星球・モリス。ちなみに大学は香川ですが出身は岡山らしいです。まず演奏するのは、徳島では知らない人がいないと言われる「阿波の狸」

 ドラムを始めとして譜面も簡単に見つからない曲ということで、メンバー全員Youtubeにある音源から推測してこの日のために音づくりしたのだとか。なお曲中、阿波の狸の格好?をして四星球の他のメンバー3人がダンサーとして登場。やはりと言うべきか何と言いますか、明らかに演奏する3人よりも前に出て目立っていました。チャットの2人からクレーム連発、モリスさんは本当に申し訳ないと何度も謝ります。もっとも見ている方としては、やっぱりこうでなくちゃと思える形でしたが。もう1曲は「ハナノユメ」。メジャーデビューした2005年から長くファンに愛されているとともに、当時をよく知る四星球のメンバーが一緒に参加するという光景もまた大変美しかったです。
 3組目のゲストドラマーはTHE イナズマ戦隊の久保裕行。力強く頼りになる先輩的な位置づけで、「風吹けば恋」「真夜中遊園地」を演奏。両方とも文句なしの名曲ですが、それだけに迫り来る完結の時間が近づいているのを実感。この感情は一通りの言葉では書き表すことができない複雑なものになっています。
 ラストのゲストドラマー、この人にドラムを叩いてもらうとは思ってもいなかったという大物はスピッツ・崎山龍男。2曲演奏する最初は『chatmonchy has come』収録の「ツマサキ」。MCでも泣きそうな場面がいくつかあったあっこぴんはこの曲で完全に感極まって、コーラスが歌えなくなっています。メジャーデビュー当時に発表されたこの曲には、前向きな気持ちが歌詞に描かれています。完結してもまたそれぞれの人生を歩み始めるという決意の表れでしょうか。もう1つは会場全員が歌える曲、みんなで歌ってというMCとともに「シャングリラ」で大団円。これでチャットモンチーの、バンドとしての活動は終了。ですがステージはまだ残っています。
 フィナーレは阿波踊り。これまたえっちゃんが作ったという阿波踊りのグループ・かもし連に阿波踊りの中でもかなりの歴史を誇るという蜂須賀連で総勢100人以上でしょうか。かなりの人数が登場します。ライブ終了直後に、一足先に阿波踊りの姿に着替えた高橋久美子が登場、MCの宇都宮まきも交えて今日の感想を話します。宇都宮さんは”くみちゃんさん”と終始彼女のことを称していました。その後着替えのためチャットの2人が退席して、宇都宮まきが阿波踊りの先生に教えを請うという展開。会場の皆さんも一緒にということで、実際私もやってみましたが、意外と難しいものです。徳島に住んでいたら自然に身につくのでしょうけども…。
 大人数が次から次へと繰り出す阿波踊りのステージ、ラストはかもし連としてチャットモンチーだけでなく今日出演したアーティスト・芸人も一緒に阿波踊り。ゆっくりステージだけでなくアリーナも周っていました。かくして2018年7月22日・チャットモンチー完結。ラストの挨拶の締めは”すだち酒で乾杯!”、「青春の一番札所」がBGMとして会場に流れました。





 今回足を運んだこなそんフェスは、単純にチャットモンチーのラストステージということもありましたがそれ以上にトピックスも多く、果たしてこのライブレポでどれだけ伝えることが出来たのかという気持ちにもなっています。それだけ見終わった後の気持ちは複雑で、言葉として表現するのが本当に難しいものでした。この10年間様々なフェスに足を運びましたが、ここまで濃密な時間を過ごせたのは初めてかもしれません。
 昨日今日参加してくれた方たちは本当に良い人ばかりです、とチャットモンチーの2人が何度も話していましたが本当にその通りで、どの出演者のステージからもチャットモンチーとの絆、人としての温かさを強く強く感じることが出来ました。それは出演者だけでなくオーディエンスも同様で、自然に入る拍手や声援はどれも大変温かいものでした。これはひとえに、徳島という土地柄とチャットモンチーの2人、いや3人の人徳によるものだと思います。本当にあらためて、こなそんフェスという現場と10数年以上続けてきたチャットモンチーというバンドにありがとうという言葉を贈りたいです。この後のことは2人とも何も決まっていないようですが、ミュージシャンとしてあるいは阿波踊りの伝承者として。これまた末永い活躍を期待したいです。自分としてもこの日は特に忘れられない一日になりました。本当にありがとうございました!



posted by Kersee at 16:30| Comment(0) | 音楽フェスティバル | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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