2019年04月07日

2019.4.7 私立恵比寿中学ライブハウスツアー2019 〜Listen to the MUSiC〜 in Zepp Nagoya

 3月13日に通算5枚目のオリジナルアルバム『MUSiC』をリリースした私立恵比寿中学。今年は結成10周年イヤーということで、年内もう1枚のアルバム発売・初の主催フェス開催など例年以上に精力的な活動を展開しようとしています。4月から行われる春ツアーも、ここ何年かは全国のホールを回る形でしたが今年はライブハウス。したがって名古屋や大阪・札幌はZeppでの開催ですが、それ以外の地方は数百人程度のキャパシティー。ですので、本来ホールでも完売かそれに迫るくらい売れるエビ中がそれをやると倍率が非常に高くなります。熊本や長野・仙台などもファンクラブやホームページ先行で予約しましたが、結局入手できたのはツアー初日となるZepp Nagoya公演のみでした。

 2016年以降エビ中のツアーは毎回足を運んでいますが、初日となると今回が初となります。さらに言うと、4月は今のところライブに行く予定を作ってないので個人的には平成で最後に行くライブとなります。

 なおツアーは6月2日まで開催予定となっています。過去の傾向だと各会場セットリストも少しずつ変わり、演出の変化も多少みられるかと思いますが、今回は普段ファンクラブ限定サイトで掲載されている学芸会レポもなく、各媒体に掲載されているレポでも曲目は明示されていません。ですので今回のツアーに足を運ぶ人は基本的に当記事を見ないことをお薦めします。ただ、レポを読んでいけば分かるかと思いますが、このライブはネタバレ状態で見てもおおいに驚嘆できておおいに凄さを感じられる内容になっています。ですので、エビ中に興味ある人は勿論そうでない人にも、このレポをきっかけにライブに足を運んで頂けるとすごく嬉しいです。以上の点を留意して、「続きを読む」をクリックしてください。



MUSiC(初回生産限定盤A)(Blu-ray Disc付) - ARRAY(0xcc88048)
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MUSiC(初回生産限定盤B) - ARRAY(0xedbae88)
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MUSiC - ARRAY(0xf4e5a20)
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 ライブで名古屋に行くことも少しずつ増えてきましたが、Zepp Nagoyaは今回が初めて。振り返ると、愛知県で過去足を運んだ会場はここまで全て1回ずつの来訪となっています。当日は愛・地球博記念公園でYON FESが開催されていますが、前回エビ中を愛知で見たのは2年前その会場で行われたファミえんでした。また、2013年に初めてエビ中を生で見たのはZepp Namba。Zepp Osaka Baysideにもファンクラブイベントで行き、Zepp Tokyoはエビネギでもう2回足を運んでいます。1アーティストでZepp4箇所も行くことは、おそらく今後もそうそうないと思われますが、果たしてどうなるでしょうか。今回のツアーは既にZepp Sapporo以外の会場はソールドアウト、したがって1800近く入る広い会場もかなり詰まっていました。17時開演ですが、入場の関係で若干押します。

 会場が暗転して始まるのは星名美怜のアナウンス。彼女の呼び掛けでカウントダウン、それが終わるといつもの学芸会(=ライブ)と同様「ebiture」が流れます。”スターダストの、スターダストの、スターダストのエビ中です!”と、歌いながら次々にメンバーが登場。ステージ上には6人、まだ足の痛みが治りきっていない美怜ちゃんは後方真ん中、一段高い台のようなものに乗っています。なぜかサングラスっぽいものをしています…。

 というわけで、記念すべきツアー初日・1曲目に披露されたのはアルバム最後を飾る「元気しかない!」!。

 最初から思いっきりロケットスタートで会場を盛り上げます。歌声・表情・振り付け全てこの日のために仕上げたと言わんばかりで、数小節聴けば分かるくらいに絶好調。早くも相当期待できそうな雰囲気の中で、気になるのは港カヲル他の声も(勝手に)入るセリフパート。どう展開するかと思われましたが、結果はなんと音源そのまま流してセリフを口パク。いわゆる岡崎体育方式でしょうか、あるいはぁぃぁぃラストライブ前半みたいな形と言うべきでしょうか。そこにオーバーなくらい表情と動きを加えています。やっていてものすごく楽しそうです。オーディエンスも笑い声連発、良い意味で半端ない学芸会感でした。特に港カヲルの声に変貌する柏木ひなたは顔芸も完璧。以前からバラエティー能力は相当高い彼女ですが、ここでは最大限にそれが活かされていました。

 足を痛めている美怜ちゃんが一旦抜けて、5人でのパフォーマンスとなる次の楽曲は「踊るロクデナシ」。R&Bの色が入る楽曲はエビ中の新境地。トラックだけだと少しピンと来ない部分もありましたが、ステージで見るとまさしく新しいカッコ良さ。今回のアルバム『MUSiC』はこんな一面があったんだ!と思わせる場面が過去4作以上に多かったですが、ライブだと冒頭2曲でそれが溢れ返っている状態。ここでも印象に残ったのは柏木ひなたのパフォーマンス。彼女は安室奈美恵に強い影響を受けていることを各所で話していますが、クールな表情で魅せるダンスとラップパートはまさしく第二の…と思わず言いたくなる内容。2曲目にして、ここまで言葉が出なくなるようなライブは滅多に見られるものではありません。凄かったです。

 次も新しいアルバムから「明日もきっと70点」

 この曲はみんなで踊って笑顔で楽しく、というステージでした。会場の盛り上げ曲として大変有効で、おそらく定番曲として来年以降も披露される機会が多くなるのではないかと感じました。3曲終わってMC。美怜ちゃんも登場して現在どれくらいパフォーマンスできるかという状況を説明して、それぞれいつもの自己紹介。お決まりのキャッチフレーズで6人それぞれオーディエンスと一緒に盛り上がりますが、振り返るとこの日のエビ中が一番今までのアイドルらしかった時間はここだったのかもしれません。

 一通り自己紹介が終わり、”去年流行る予定だったのに〜!”と多少自虐気味に始める楽曲は「でかどんでん」

 確かにあらためて聴いてもシングル表題曲としては攻め過ぎなこの曲。しかしライブだと理屈抜きにカッコ良い。ファンクに昭和歌謡も入れたようなごちゃ混ぜのカオスな作風は、他ではまずやらないとともにやろうとも思わないであろうと推測できるほどに個性的。おそらく私立恵比寿中学のメンバー全員が相当なハイスペックの持ち主だからこそ、実現できた楽曲とも感じたり。

 続く「日進月歩」は以前からライブで披露される機会があったものの、音源化は今回のアルバムが初めてとなる楽曲。全力で歌い上げるパフォーマンスもそうですが、あらためて聴くと歌いこなすには相当難度の高いメロディー。その凄さにまたまた圧倒された後に畳み掛ける「春の嵐」。メインパートを歌う真山りかを筆頭に、メンバーの表情はもはやなにかが憑依しているかのよう。2年前の『エビクラシー』収録曲ですが、見るたびに凄味を増しています。それ故に?次の「ポップコーントーン」のイントロが鳴った瞬間ちょっとした安堵感。学芸会では定番中の定番曲、安心して盛り上がることが出来ます。「熟女になっても」では安本彩花がYASUBOYとして登場、これも気がつけばお馴染み。SUSHIBOYS提供の楽しいヒップホップチューン、ここまでの8曲だけ切り取ってもカバーできるジャンルの範囲が本当に果てしなく広いです。

 短いMCを経て、みんなで踊れる曲として紹介されたのは「YELL」。これもすっかり定番曲としてお馴染みになっています。その流れのまま新しい応援ソング「BUZZER BEATER」のパフォーマンス。

 5人の声量がZepp Nagoyaの会場内で思いっきり映えています。これまでに何度もメンバーの歌唱力が上がったと書いていますが、また更にパワーアップしています。単純な声量やテクニックだけでなく、スピリットを前面に押し出した歌い方が本当に優れています。「シンガロン・シンガソン」を経て、会場を更に盛り上げるために2チームに分かれて声出しMC。真山りかがチームしゃちほこの挨拶、柏木ひなたは美怜コールを促します。小林歌穂が”TEAM SYACHIに改名したよね…”と呟くオチも入りつつ。

 KEYTALKが提供した「MISSION SURVIVOR」はタオル回し、そこから「イート・ザ・大目玉」
に繋がる展開はまさにロックそのもの。「響」を経て、最終コーナーに入ると予告。そういえば、序盤を除くと案外『MUSiC』収録曲が思いのほか残っています。

 というわけで、ラストは残りの収録曲が集中します。まずは「星の数え方」。終盤にふさわしいバラードは、単体で聴くと思いのほかありふれた楽曲という印象もありましたが、これまたライブで見ると一気に素晴らしいナンバーという感想に変わります。一人一人の声は主張が強いので、合唱となると少し個性がぶつかり合っている印象もありますが、それもまたエビ中の良さ。5人、おそらくもう少しで6人揃っての歌唱になるとは思いますが、チームワークという点では負けていません。何より踊りが入って、曲に大きな彩りをつけられるのが強いです。


 今回のアルバムで個人的に一番印象に残ったのは吉澤嘉代子が提供した「曇天」。ライブでどう表現するかが今回一番の楽しみでしたが、いやはや。アイドルの振り付けからこの曲ほどミュージカルらしさを感じたのは初めてです。考えてみればスターダストプロモーションは、元来俳優活動がメインの事務所。メンバー主演のドラマも今年4月から放送されています。数年前に開催されたシアターシュリンプという舞台を見ても、演技力は十二分に保証されています。あまりにも鮮やかなダンスと、曲に合わせて変化する表情。「春の嵐」もそうですが、振り付けから感じられる説得力が半端ありません。


 岡崎体育が提供した「Family Complex」は、公演終了後にYoutuberパオパオチャンネルのぶんけいが振り付け担当したことを発表。今回のアルバムは名だたるミュージシャンだけでなく、YoutuberやVTuberに新進気鋭の作曲家まで加わっている部分が新しいです。岡崎体育のエビ中に対する力の入りようは「サドンデス」でも証明されていますが、この曲も凄いです。前半と後半で全く違う楽曲構成、リアルさを感じさせる歌詞、そしてオーディエンスにブヒブヒブヒと言わせるコール。ライブ単位で見ると、アルバム最初に収録されているこの曲をラスト付近に持っていく構成も面白いです。

 ラストはももいろクローバーZとのコラボしたたむらぱん提供の「COLOR」。聴いていても見ていても全く間違いのない、会場中をハッピーにさせる楽曲です。ここで美怜ちゃんも再登場して6人でのステージ。序盤で抜ける時は裏から厳しい目でメンバーと観客を見ると脅して?いましたが、本番が終わってからの感想は初めてなのにフリが揃っていることに驚いた・コールに愛を感じたということでした。挨拶が終わった後に、アンコール。ライブ衣装から、ツアーTシャツに着替えて登場します。

 演奏されたのは思いっきりメロコアな「HOT UP!!!」、椎名林檎のカバーを完全に自分たちのものにしている「自由に道連れ」、そして大団円感だけでなく今のエビ中にとっても欠かせないピースとなっている「感情電車」。フェイクも自由自在にこなすようになった安本彩花、もうすっかり自信を持って笑顔で歌えるようになった小林歌穂、今日は終始声量も笑顔もかわいさも抜群に輝いていた柏木ひなた、持ち前のパワーにますます磨きがかかっている中山莉子、低音から高音・カッコ良い声からかわいい声までまさに変幻自在の真山りか、そして足の怪我というハンデも見ようによっては活かしているようにも見えた星名美怜。演奏終了後はなぜか怪しい外国人に扮して片言の日本語でグッズ紹介をするコーナーもあり。その設定は実に曖昧かつ適当で、そこにデビュー以来のエビ中の良さが詰まっているとも感じたのは言うまでもありません。ただ、ツッコミと天然がカオスに混じり合ってグダグダになりがちなMCの中で、一番頭の良さを感じさせるとともに頼れる存在である美怜ちゃんは、あらためて今のエビ中に欠かせないメンバーであることを本当に痛感しました。自分なりのペースで、完治してまたステージに立てることを楽しみにしたいです。

 一昨年・昨年とライブの凄さは最高をどんどん更新していますが、今回またさらに上をいく内容を見せつけた形になっています。また、ここ数年のホールと比べてZepp Nagoyaの音響が抜群に良かったので、そこが良さを余計に増幅させていたかもしれません。もしかすると1970年代からアイドルのライブに足を運んで全部のグループを見たとしても、一番に迷わず私立恵比寿中学を選ぶ、もはやそんな領域にまで達しているかもしれません。アイドルという枠を飛び越えている…と書くのは簡単ですが、インタビューを見ると彼女たちからはアイドルだから出来ること・アイドルとしての誇りを強く感じさせる部分が目立ちます。おそらく世間的なアイドルのイメージは今だと4846系、特に最近はNGT48界隈の問題であまり良く思われていないかもしれません。ですが、それを根底からひっくり返すようなパワーが今の私立恵比寿中学には兼ね備わっています。ロック・ヒップホップ・R&Bに同人音楽方面も味方につけた彼女たちはもう無敵の存在、と言い切っても良いかもしれません。このライブで、5月にまたまたジャンルの全く違う3アーティストとの対バンライブ開催が発表されました。今年はまさしく私立恵比寿中学のためにある一年、個人的にはもうそう決めつけて良さそうな心境です…。


posted by Kersee at 17:00| Comment(0) | ワンマンライブ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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